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雑誌目次

雑誌文献

病院37巻7号

1978年07月発行

雑誌目次

特集 病院組織と看護の専門化

看護その専門分化の方向

著者: 川島みどり

ページ範囲:P.534 - P.539

はじめに
 医学の分野における専門分化の趨勢は,看護活動のあり方にもさまざまな影響を及ぼし,細分化・高度化した専門的知識や技術を要求される.同時に,医療分野内での看護の役割拡大が期待され,専門看護婦志向についての是非や可能性が論議されるようになった.
 医療の一分野を担当する看護が,他領域の専門分化に歩調をおくらせまいとして,あるいは独自の分野の知識の拡大に伴って,専門分化の道を辿ることは,必然的なことかもしれない.だが,今回編集部から与えられたテーマを見つめながら,今までになく筆の運びが鈍りがちなのはなぜだろうか.その主な理由は次のようである.

成人看護の専門性を考える—クリニカル・スペシャリストとしての専門看護婦

著者: 杉森みど里

ページ範囲:P.540 - P.541

 近年筆者は,10年ぶりに学生の臨床実習指導教師として,病院の最前線に復帰する機会を得た.その現状の中で理論と現実のギャップにわが身のつたなさを嘆くことも度々ある.したがって,本稿はきわめて現実的な発想からというよりも,教育担当者としての現場からのレポートに終る可能性が強い.
 最近の病院は昔と違って,それを利用する人々の健康レベルは特定レベルに限定されなくなってきている.とはいえ,外来を除けば,自分の生活環境を病院に移してまで医療を受けなければならない人々に利用されている.さらにその人々は,大別して,生命維持を主目的とし生活維持を二義的とする人々と,生命危機をまず予測しないで,その人の生活過程の中へ医療を適応することを主目的にしている人々とがある.後者は往々にして,医療を確保し受けるために,その間自分らしい生活を犠牲にする状態に陥りやすい.その違いは,医療主体が(医療を)受ける側にあるとする考え方と,あくまで授ける側にあるとする考え方の差となる.授ける側といっても生きている人間であってみれば,いつでも受ける側になる可能性が強い.だが,その辺には常に目に見えぬ明瞭な線が引かれているのも不思議な現象である.

成人看護の専門性を考える—医学細分化の追従であってはならない

著者: 若菜ミキ

ページ範囲:P.542 - P.543

 医学の進歩によって治療は専門化し技術も高度化が進み,それに伴って看護も専門化の方向を辿っている現状である.これはある分野での看護を深く追究して,看護の専門的知識のほかに,的確な観察,判断,確実な診療介助,医療機器操作の熟知,熟練した看護技術などを提供し,その分野の専門家となることを要求されているのである.
 専門看護として現在考えられているのは,ICU, CCU,人工透析看護などであろう.

小児看護の専門性

著者: 吉武香代子

ページ範囲:P.544 - P.547

 私が小児看護の専門分化の必要を論じはじめて何年になるだろう.
 昭和41年の『看護学雑誌』に,"専門看護婦への道"という特集があった.この中で先ず,小児看護の専門分化の必要性を論じている.

専門看護婦の教育と活用

著者: 大谷昌美

ページ範囲:P.548 - P.551

 保健婦助産婦看護婦法制定から30年,わが国の看護は内部に多くの問題と矛盾を抱えながらも,戦前とは比較にならないくらい改善され発展してきた.だが一歩掘り下げその改善と発展を見るとき,必ずしも看護婦自らの努力や力が積極的に影響したとはいえない面が多く,むしろ看護を取り巻く社会の変化や,医療の高度化の中で遅ればせながらついてきた,あるいは結果的にそうなった,といった面の多いことに気付く.
 現在,医療全体の中で果たす看護婦の役割の広さと,重要さとを否定する人は先ず医療関係者の中にはいないであろう.だが,われわれが,看護機能についてその主体性とか,独自性とか科学性を言い出すと,必ずクレームがつき,異論が飛び出し,あげくの果てによい看護婦とは,医師に従順で患者にやさしくあればよいのだとの忠告を受ける.

座談会

患者を中心とした看護婦と医師の接点

著者: 松沢孝子 ,   近森芙美子 ,   田島香代子 ,   日野原重明

ページ範囲:P.552 - P.557

 日野原最近,看護の独自性ということが強く叫ばれております.医師は夢にもこういう時代がくるとは考えずに,これまで業務を展開してきたわけです.そういうところに,看護の独自性が鮮明に打ち出され,両者がぶつかった場面がほうぼうで見られたわけです.そこでは患者はどうなっているか,間にはさまれて困っているというようなことも想像されるわけです.そこで今日は,現状を分析して,どこに問題があるかを明確にし,今後どうすべきか論議したいと思います.

グラフ

三本の重点医療とへき地医療—石川県立中央病院

ページ範囲:P.525 - P.530

 石川県は,地形的にも文化的,歴史的にも平野部の金沢・加賀と丘陵半島部の能登とは大きな差異がある.これは,医療の面でも数字に示されている.すなわち,一般病床数は,石川県全体では人口10万対比1,103で全国第2位の高レベルであるが,県内を地域別にみると,金沢1,310,加賀961,能登南部983,能登北部523と,また医師数も全国的に上位(4位,人口10万対177.1)であるが,無医地区は能登北部に集中しており,金沢地域での医療施設の偏在が目立っている.
 このような医療供給体制を背景に,石川県立中央病院は,昭和23年設置以来の実績をふまえながら,急激に進展する医学・医療を展望し,近代的,最新の施設と設備を整えて,昭和51年,現在地に新築移転されたものである.

一流の臨床医が管理業務にも明快なタッチ東京慈恵会医科大学附属病院院長 阿部正和氏

著者: 小酒井望

ページ範囲:P.532 - P.532

 阿部正和教授が国立東京第二病院内科におられた時,私は同じ国立病院仲間の第一病院研究検査科にいて,臨床検査に造詣の深い若手内科医としての阿部さんの名前を知ったが,氏と親交を得たのは,慈恵医大生理へ移られてからである.日本臨床病理学会の幹事会や学会の認定試験でしばしば顔を合わせるようになり,一緒に単行本の編集をしたり,「メディチーナ」の編集会議,その他の会議などで頻繁に出会うようになった.明快な話しぶり,適切な判断には,いつも敬意を表するところである.とくに講演会では,阿部さんの話は速記をするとそのまま文章になるほどで,一緒に講演をすると,私はいつもコンプレックスを抱かざるをえない.
 生理学教授から内科学教授になられ,青砥病院内科を主宰された時の阿部さんの勉強ぶりは驚くべきもので,広く内科学のあらゆる知識を吸収しようという勢いであった.俺にはとてもあの真似はできないと,驚き入った次第である.

病院の窓

病院管理四つの提唱

著者: 今村栄一

ページ範囲:P.533 - P.533

1)病院を家庭のように
 大昔,病院は死にに行く場所であったが,医学の進歩により,現在では病気をなおしてもらいに行く場所となった.しかし病院の生活は家庭生活とは異質のものである.それを補うために,看護やハウスキーピングの機能があるが,まだ十分とはいえない.重症患者の中には,家庭に戻って死にたいと願っているものがいる.アメリカの一部で,最近家庭分娩への指向が見られているが,それに合わせるように分娩のために入院する病室のデザインを,家庭と同じようにしている病院がある.すべての病室を家庭の部屋のように構成することは困難であろうが,少なくとも現在のように「病室」そのもので済ませておいてよいものではなかろう.たとえば,小児の看護婦がピンクの看護衣を着るということで済まされるのではなく,小児の病棟のすべてを家庭と同じようにするという展開があってよいのではないか.

ホスピタル・メモ 検査

孵卵器

著者: 吉野二男

ページ範囲:P.539 - P.539

 鳥類が生んだ卵をかえすときに,自分自身の体温で温めることはよく知られていることで,これは卵とともにまわりの環境温度を一定に保つことが主な要件のようである.鶏を飼育することになって,多数の卵をかえすのに親鶏に温めてもらっていたのでは,とても間に合わなくなってきたのでそのために,温度条件だけを人工的に作り,卵をかえそうとした容器が孵卵器と呼ばれたものである.
 検査や試験をうまく行うためにはいろいろの条件が要求されるが,環境の温度も重要なもののひとつで,温度によって化学反応の速度や微生物の発育は大きく影響される.

病院医療の動向

MEの現状と将来

著者: 渥美和彦

ページ範囲:P.558 - P.564

 病院医療と医療機器の問題についてはいろいろな議論がある.だが,病院の近代化とともに機器や技術の導入はめざましい.その中で,MEは最も発展し高度化している一つであろう.それでは,MEは現在どの程度開発されているのか.また安全,保守,管理などの問題はどうなるのか.

地方の病院から

へき地中核病院となって—愛知県厚生連足助病院

著者: 祖父江吉助

ページ範囲:P.565 - P.565

受診の足に難儀する患者
 国民皆保険下,都会と過疎地とでは医療を受けるのにも雲泥の差がある.過疎地の西三河地域でも,最近は林道の開発によりほとんどの家の庭先まで乗用車が入れるようになってきた.そして貧しいこの地方でも,一軒に一台は車をもっているようになった.だがその車はその家の働き手の通勤用なのであり,昼間は家にない.家族の足にはならないのである.
 家族は主要道路を1日に3-4往復しかしないバスを利用して行動しなければならない.その主要道路までが遠く,しかも起伏がはげしい.病人にとってはそんな道を歩くのは苦痛であり,ついつい受診の機会を遅らせがちである.慢性患者は部落で数人集まってタクシーで相乗りをして来院しているというように,受診するために苦労をしている.このような格差を是正するために行政側はいろいろと手段を講じてきた.しかしこれまでの無医地区対策はあまり効果が上がっていなかった.患者輸送車を無医地区の町村に与えても,その運営費は補助されなかった.過疎地の弱体町村ではその費用が負担となって十分活用されない面があった.

院内管理のレベル・アップ 医療社会事業(MSW) 病院におけるMSWの役割・4

医療ソーシャル・ワークの実際—とくにソーシャル・アクションについて

著者: 丸毛静香

ページ範囲:P.566 - P.567

 ソーシャル・ケースワークについてはすでに多くの事例が発表され説明されているので,ここではソーシャル・ワークの方法の一つでありながら,反体制的な運動と混同されやすい側面をもつソーシャル・アクションについてふれてみようと思う.

ものの管理 ものの管理の方法・4

ディスポーザブル製品の使用管理

著者: 塩山雅英

ページ範囲:P.568 - P.569

 ディスポーザブル製品が日本の医療サービスの領域に採用されるようになって,約20年の年月を経過したが,導入当初に比べると,現在では,比較にならないほど,各分野にわたり,複雑に,かつ,多目的に使用されるようになってきた.
 この背景をみると,初期のころには,1)安全性に疑問がある,2)品質が不安定である,3)消毒,滅菌性に不安がある,4)価格が高い,などといったことに問題があり,とくに安全性の点でいえば,割高であっても,外国製のカテーテル,チューブ類を購入せざるをえない時期もあった.しかし,高度経済成長に伴う技術革新によって,メーカーの数も増加し,種類も豊富になってくるにつれて,安価,軽量,耐久性,耐熱性,消毒,滅菌といった必要条件を満たすものが続々,研究,開発されるようになってきた.その結果,ディスポーザブル製品が,現在の健康保険制度上(制限診療),採算のとれないものが多いにもかかわらず,各病院とも,医学上の要請が優先して,種類,使用頻度,購入量などが年を追うごとに増加し,病院の中で,確実に定着してきている.もちろん,省力化といったメリットも無視できないことであるが,その場合でも,経済的な面からだけ見ると,採算上,プラスになるとはいい難いところに問題がある.

人事・庶務 庶務部門の諸問題・8

保安・防災のあり方(2)

著者: 内藤均

ページ範囲:P.570 - P.571

II.防火
 防火管理には二つの側面がある.一つは設備的側面であり,他の一つは人的側面である.後者は,防火委員会や自衛消防隊の組織化と運用,防火教育と訓練,消火器,避難経路と設備,火の元などの点検である.さらに,全職員が前述点検に協力し,災害発生時には,初期処理の行動がとれるようにすることも含まれる.ここでは,この人的側面を中心に稿をすすめる.

廃棄物処理 病院廃棄物の問題点・2

廃棄物の管理

著者: 小田桐信子

ページ範囲:P.572 - P.573

 前稿において述べたように,病院から排出されるごみの量はきわめて多く,その種類も多種多様であり,その上病原菌等によって汚染されているものもあって多分に危険性をもっている.このようなごみの量と種類は病院におけるごみ処理の複雑かつ困難性を如実に示している.病院のごみは事業系一般廃棄物として病院自らの責任において適正に処理,処分しなければならないので,病院の衛生環境の保全,また病院の機能性を維持,増進させるためにごみの処理にあたっては細心の注意を払わなければならないが,またごみを捨てる人も同様の注意が必要で,病院独自の処理方法を設定し,徹底させておくことが大切である.
 ごみ処理がスムーズに行われていない病院は,清掃管理も不十分で,清潔感も欠如しているのが一般的で,ごみ処理の良否は,病院の運営,管理上に大きなウェイトを占めているといっても過言ではない.

手術 安全,確実な手術のために・5

滅菌技法と感染防止(2)

著者: 古橋正吉 ,   上田伊佐雄

ページ範囲:P.574 - P.575

 前回に述べた滅菌業務の流れと同時に重要な事項は滅菌業務の質的向上であろう.単に釜にいれれば滅菌されるものと考えている向きがあるとすれば,大変な誤解である.メーカーは装置の性能は保証しても,滅菌効果の確認はユーザー自身がしなければならない.滅菌用包材や1回の滅菌器容量がそれぞれ異なり,さらに滅菌槽の内部は蒸気湿度,蒸気温度等が不均等分布をしている事実があるからである.滅菌温度は付属計器だけでは被滅菌物の中心温度は測定できない.このために遠隔温度測定器や検定済み留点温度計を使用する必要がある.
 酸化エチレンガス(Et-O)滅菌では滅菌槽から直接ガスを一部とり出し,ガスクロマトグラフィや化学検知器を用い測定する.ただしこれらを調べるには,それなりの知識や器具を用意する必要がある.また,温度,湿度の検知法と共に重要な事項は滅菌効果の検知・確認法である.この目的には化学的検知法,生物学的確認法がある.

最近の判例からみた医療事故・7

電気手術器のケーブル誤接続による熱傷事故と執刀医・看護婦の責任分担

著者: 稲垣喬

ページ範囲:P.576 - P.577

判例
 医師が看護婦を介助として行う手術等の過程で看護婦の過誤により異常事態が発生した場合,医師・看護婦の刑事責任の成否については,いわゆるチーム医療における医師の看護婦に対する信頼等をめぐり,その妥当な規律がとくに論議の対象とされている.本件は,看護婦が,電気手術器のケーブルを交互誤接続したため,併用の心電計回路との関係で患者に流れる電流回路に異常を生じ,これに熱傷を負わせた事案について,右看護婦の刑事責任を肯定し,執刀医の刑事責任を否定した事例である(第一審・札幌地判昭49・6・29判例タイムズ311-117,控訴審・札幌高判昭51・3・18判例タイムズ336-172).

今月の本棚

—S.J.ラックマン他著 平井富夫他訳—「心理学と医学のあいだ」

著者: 岩崎栄

ページ範囲:P.578 - P.578

医療への心理学的アプローチを説く
 —医学は,より非人間的な方向への顕著な動きがある.医者と患者が個人的に接触できる時間は平均してわずかに5分,実に短いものとなっている.—この痛烈な医学への批判が本書の序文に寄せられていて,わが国へのものかと思ったが,英国での話である.
 本書は二人の英国の心理学者によって書かれたものである.彼らは単なる医療社会への批判のみでなく,じつに真面目で,謙虚に,しかも冷静な眼で,現代の医療を眺め,今日的な医療の荒廃の所以と過程について,具体的に披瀝し,医療とは何かと問いかけ,そして,医療はどうあるべきか,医療の中での心理学の役割,相互関係について,心をこめて説いている.

—山口 與市 著—「医のこころやさしい医学概論」

著者: 上野フジエ

ページ範囲:P.579 - P.579

臨床の立場から「人間」を探求
 健康は人間の基本的な権利であり,願望の一つである.医学は人々の健康を対象とし,医療の基本がそれを受ける人と与える人との関係にあることは論をまたない.今日のように,人々の寿命が延びつづけてきた背景には,医療の普及と技術の進歩に負うところが大きい.しかしその進歩の反面では,医療の危機が招来されていることも注目に値する.その多くは‘人間としての患者への対応’を忘れているという社会不満である.

院外活動日誌

訪問リハビリ看護(2)—一年を経過して

著者: 米田睦男

ページ範囲:P.580 - P.580

 板橋区の在宅療養者訪問看護制度には,昨年5月に始まった寝たきり老人訪問看護と今年4月から始まった65歳以下の脳卒中在宅リハビリの2つがあることは前回述べた.そこで今回はそのリハビリ効果が,実際どういう形で現われてきているかを述べる.

新病院建築・7

奈良県立奈良病院

著者: 片山光生 ,   北山直記

ページ範囲:P.581 - P.587

 今回竣工した「県立奈良病院」は,県立医科大学附属病院の奈良地区病院として,これまで県北部地域の医療施設(奈良市二条町・200床)の中枢であったが,人口増加にともなう狭隘化と大型医療機器導入のための増築が不可能とされたため,移転新築という形で具体化された.建設場所は西の京の一角奈良市平松町,田園と緑に包まれたところである.

精神医療の模索・7 座談会

松沢病院合併症病棟における一般医療との協力

著者: 小林健一 ,   馬場理一 ,   七理泰 ,   市場正敏 ,   長尾佳子 ,   金子嗣郎

ページ範囲:P.588 - P.593

 金子(司会)昨年6月から,松沢病院で合併症病棟が開設され,内科と外科の先生がこられてほぼ8か月たったわけです.ここで今までの問題点を洗い直して,今後の合併症の医療をどうすすめていくかを考えたいと思います.
 小林先生,まず,合併症病棟開設までの経緯をお話し下さい.

民間病院の新しい試み

歴史を誇る眼科専門病院—東京・井上眼科病院

著者: 一条勝夫

ページ範囲:P.595 - P.600

 都心中央,国電お茶の水駅から1分の場所に明治14年から眼科一筋に病院を運営してきた井上眼科病院がある.この井上眼科病院は井上達也博士により開設されて以来約100年,井上家4代の医師により受け継がれ,現在は井上治郎(写真右)副院長が病院の管理運営の責に当っている.
 このような永い伝統とともに,機器の導入,病院の一部への眼鏡店の併設など新しい経営・管理法もどんどん取り入れている.本年中には着工する予定という新築を契機に一層の飛躍が期待される.

研究と報告【投稿】

病院の使用者責任

著者: 金川琢雄

ページ範囲:P.603 - P.605

 病院の従業者である医師や看護婦その他の医療従事者が不注意によって事故を発生させると,患者・被害者から損害賠償の請求が行われる.この場合,その過失ある従業者に対してではなく,彼を雇傭している病院に対して損害賠償の請求が行われる.これは,使用者責任(民法715条)の法理に基くものである.
 本稿は,病院内医療事故に基く損害賠償請求のうち,最もポピュラーである,使用者責任の法理について考察を加えたものである.

ニュース

'78国際モダンホスピタルショー開かる

著者: 編集室

ページ範囲:P.605 - P.605

 5月18,19,20日の3日間,東京・晴海の国際貿易センターで,日本病院会(左奈田幸夫会長),日本看護協会(大森文子会長),日本経営協会(竹内正治理事長)共催による「'78国際モダンホスピタルショー」が行われた.
 今回のモダンホスピタルショーは<のびゆく医療,住みよい社会>をテーマに,目ざましい発展を遂げる各種医療機器部門を中心に,医療情報システム部門,給食部門,看護部門,リハビリ部門など15部門に約5千点が出品展示されていた.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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