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文献詳細

雑誌文献

病院37巻7号

1978年07月発行

地方の病院から

へき地中核病院となって—愛知県厚生連足助病院

著者: 祖父江吉助1

所属機関: 1足助病院

ページ範囲:P.565 - P.565

文献概要

受診の足に難儀する患者
 国民皆保険下,都会と過疎地とでは医療を受けるのにも雲泥の差がある.過疎地の西三河地域でも,最近は林道の開発によりほとんどの家の庭先まで乗用車が入れるようになってきた.そして貧しいこの地方でも,一軒に一台は車をもっているようになった.だがその車はその家の働き手の通勤用なのであり,昼間は家にない.家族の足にはならないのである.
 家族は主要道路を1日に3-4往復しかしないバスを利用して行動しなければならない.その主要道路までが遠く,しかも起伏がはげしい.病人にとってはそんな道を歩くのは苦痛であり,ついつい受診の機会を遅らせがちである.慢性患者は部落で数人集まってタクシーで相乗りをして来院しているというように,受診するために苦労をしている.このような格差を是正するために行政側はいろいろと手段を講じてきた.しかしこれまでの無医地区対策はあまり効果が上がっていなかった.患者輸送車を無医地区の町村に与えても,その運営費は補助されなかった.過疎地の弱体町村ではその費用が負担となって十分活用されない面があった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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