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精神医療の模索・8 病院現場からの報告
てんかん医療とセンターのあり方—静岡東病院てんかんセンター
著者: 清野昌一1
所属機関: 1国立療養所静岡東病院てんかんセンター,医務課
ページ範囲:P.682 - P.684
文献購入ページに移動わが国の医療の今日の状況は,センターと名がつく診療機能ぬきに語ることはできないであろう.このことは単に呼び名の問題ではなく,病院や診療所という在来の診療形態ではおさまりがつかない包括的な医療活動が必要となってきた経緯を物語っている.
これらのセンターとよばれる医療形態には,いくつかの違った意味合いがあるように思われる.たとえば,①地域社会で中心的な機能を果たす専門活動をさす場合,②精神衛生センターなど,総合病院にある個別の診療科ではすべてをカバーしきれないために設けられた専門クリニックをさす場合,③高血圧あるいは糖尿病センターなど,各専門診療科を設けた総合病院であるが診療対象を限ることによって医療の連続性を指向する場合,④子ども医療センターなど,高度医療を行うばかりでなく疾患研究と専門職種の研修をも分担する場合,⑤がんセンター,神経センターなどである.そのいずれにも共通している性質は,診断・治療の方法論によって分割されている大学病院にみられた伝統から離れて,特定の疾患群に対する高度かつ包括的な一貫した医療ケアを志向するところにある.
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