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雑誌目次

雑誌文献

病院38巻1号

1979年01月発行

雑誌目次

特集 変化を迫られる病院

変化の背景

著者: 紀伊國献三

ページ範囲:P.23 - P.26

あるべき姿を求めて
 現代を特徴づける言葉を「変化の時代」という.われわれの周りを見回してみても,変化は急速に起りつつある.このことをとらえて,現代を「不確実性の時代」というはやり言葉もみられている.たしかに「一寸先は闇」という言葉がぴったりするほど,われわれの周辺の変化は著しく,その方向を予測することは困難である.
 医療の世界,病院の世界においても,この変化は著しい,そして,あるべき医療,あるべき病院の方向について多くの議論がなされている.奇妙なことに,病院の目指すべき方向,医療の目指すべき方向については,多くの場合一致しているといえよう.すなわち疾病の減少,医療関係諸科学の研究の促進,進歩した技術の一刻も早く必要とする者への適用,不必要なケア・不必要な医療の防止,コストの上昇への対策,品質の確保,患者の医療システムへの導入の交通整理などである.つまり総論については,これから行われるべき医療の方向についてのコンセンサスはほぼ得られている.ただ問題は,それについての解決方法がどのようなものなのかである.いわば総論賛成,各論反対はこの場においてもみられている.特に変化に対してある種の統制が必要であるかどうかについて,意見が分かれている.昨年(1978年),大阪で行われた日本病院会学会においてもある種のコントロールは避けられないという見方と,それが直ちに官僚統制になるのではないかという危惧が強く表明されていた.

経営形態の変化

著者: 石原信吾

ページ範囲:P.27 - P.30

まえがき
 病院は,生態学的には1個の開放系であると見られる.すなわち,社会との間で入力と出力を絶えずやりとりしながら存在し機能しているのである.この場合,出力は入力によって左右される.いくら大きな出力を求めても,入力が十分になければ望む結果は得られない.逆に入力が大きくなれば,出力もそれに応じて増大する.
 病院は全体としてみても開放生態系と見ることができる.入力の状況いかんがやはりその全体のあり方や分布などに最も大きく影響する.

供給形態の変化—病院の新しい展開〈ある実態調査から〉

著者: 橋本寿三男

ページ範囲:P.31 - P.34

はじめに
 近代的な重装備の病院に入院している患者は,ごうもんを受けているようだ,とさえいわれる.現在,進歩した医学の恩恵に浴してもらうためには,第三者が何といおうと,医師も患者もそうせざるを得ない局面もあるのである.しかし,患者の意識も回復し,少しは動けるようになると,今度は人間性の確保が問題になる.
 極めて高度の医術と高価な近代設備を活用するための精度,効率などの問題と入院患者の安全,人間性の確保とはしばしば相反する要因として,病院に求められる.これをいかに調和すべきかが,今日の病院体制に課せられた最大の課題と思う.この調和をより容易に,確実なものにするためには,新しい病院の展開が必要ではないであろうか.

これからのマンパワー

著者: 島内武文

ページ範囲:P.35 - P.38

はじめに
 マンパワーの問題を考えるには,当然まず医療ならびにこれを支える背景およびその供給状態や経営状態の考察から始めるのが順当であり,それぞれ前記の諸論文を拝見した上でとりかかるべきものであろう.しかしここには,その余裕はないようなので,筆者なりにぶっつけ本番,心に浮かぶままに書きならべることとした.
 医療はその根本となるものが,医者対患者の関係であり,問題はむしろマンパワーに始まっているのであるが,今日ではこれに加えて複雑な医療組織,高度の医療施設,社会との密接な接点などがあって簡単ではない.殊に医療関係には,専門性の強い職種が多いため,過不足が顕著に表れ,かつ長期・実地的教育研修を要するために,特に将来への見通しが必要となる.

これからの病院建築

著者: 吉武泰水

ページ範囲:P.39 - P.42

 これからの病院建築はどのような方向に進むかの長期展望が私に与えられた課題である.医療でも建築でもまたそれらを取巻く経済や社会も激しく変転しつつある中で,長期的展望は大変な難題である.展望の基点をどこにおくかを求めて模索しているうちにナイチンゲールに行きついた.未来への展望を求めて百年余り昔の過去にさかのぼったのは意外であったが,これは基点とするに足るだけの重みをもっている.一方,筆者が描かねばならぬ将来の病院の姿はついに浮かんでこなかった.いやむしろ,"無定形"という姿が浮かんできたというべきかもしれない.構想力の不足といわれようとも,今の筆者にはこれこそこれからの病院の姿だと思われる.

新春随想

10年後の病院医療はどうなるか

著者: 菊地真一郎 ,   薗部雅一 ,   東義晴 ,   左奈田幸夫 ,   小野肇 ,   行天良雄 ,   諸橋芳夫 ,   堀内光 ,   吉武香代子

ページ範囲:P.43 - P.49

10年後の病院夢物語
 私は易者でもなければ未来学者でもない.しかし来年の話が鬼に笑われる時代は過ぎた.先般,日刊紙1頁全面広告として日本医師会は「21世紀の国民医療福祉をいまから考えよう」を公表した.日本の国民皆保険制度は近いうちに大転換を迫られているし,医学教育も同様の運命にある.9月1日,2日の両日ライフプランニングセンター主催の医療と教育に関する国際セミナーでも強調されたところであるが,健康教育活動を地域事情に即応展開させるための組織づくりや,病院と診療所のプライマリケア対策が,今後速やかに確立されなければならない.9月5日厚生省病院管理研究所で前記セミナーで講演した米国ソマーズ教授夫妻に率直な話を聞いたが,正直のところアメリカは日本以上の苦境に立っているような気がした.医療経済の行き詰りに振り回されている点は両国共通だが,その対策の根本に大きな相違点がある.カーター大統領は医療費半誠要望を国会に提案している.米国の医療行政当局には,英国式に右ならえすることもやむを得まいとする方向が見える.これに反し日本では,日本医師会主導型が着々と進み,メディコエコノミックスをスタートラインにして,社会保障は生涯の一貫保障として計画すべきであり,地域保険と老齢保険は厚生省で,産業保険は公害医療をも含めて労働省で行政すべきものと10年前から頗る明快な方向づけを打出している.

グラフ

長崎市の病院史を歩く

ページ範囲:P.9 - P.14

鎖国の窓の時代
 1571年に長崎が開かれて以来,キリスト教,それもカトリックの布教基地を兼ねた貿易港として発展した長崎の町は,やがて鎖国の窓となって2世紀余り特異な町となる.
 最初の1世紀近い南蛮文化全盛期には,当然のことながら,カトリック教会,修道院に付属する医療施設が司祭・修道士によって継続された.長崎にはじめて布教に来たポルトガル人医師ルイス・デ・アルメイダは1567年に修道士として長崎の領主を訪問する.しかもその没年の1583年には,長崎にミゼリコルディア(慈悲屋)つまり慈恵病院力設立され,七つの分院を経営する.これはアルメイダが1556年から豊後府内(大分)に設立した慈恵病院と同じ形態であるが,長崎のものは日本人キリシタンジュスチーノとその妻ジュスタが設立した.大禁教令発令の1614年,他のキリスト教会,サンチャゴ病院が破却され,その資材置場となっていたが,1620年,長崎のミセリコルディアの建物も破壊されてしまった.

心臓外科のパイオニア榊原紀念病院 榊原仟氏

著者: 太田八重子

ページ範囲:P.16 - P.16

 昭和35年胸部外科学会て,青柳安誠先生が,会長の榊原仟(しげる)先生を評して,"スカッとさわやかな人"と言われ,会場は同感の意をこめた爆笑てどっと沸いた.清潔な人である.気取りがなく,公私を混同しない,思ったことはすぐ実行に移す行動派.それでいて他人への思いやりがある.傍の人を楽しませる人間的魅力に富む人でもある.聖マリアンナ医大の徳川英雄講師が,榊原仟先生の眼は実優しいと言う.その優しさは,愛息,愛嬢へ注ぐ慈愛の眼差しそのものと思う.20数年前のことである.入局1年生の岩渕汲先生が,医局で荷物を解こうとしていた時,先生が,「どれ,おとうちゃまに貸してごらん」と,ご家庭の言葉を出してしまわれた.
 昭和24年7月,東大から東京女子医大(当時は医専)に外科教授として,周囲の猛烈な反対を退けて,赴任されたその理由は唯一つ,学生のためにであった.容赦のない情熱を学生の教育に,同時に診療と研究に旺盛な精力を傾けられた,物資不足の悪環境下て次々と手術や研究を完成され,学会への発表,執筆と寸暇を惜しまれた.優れた外科医であり,本邦心臓外科の開拓者であることは余りにも有名である.昭和30年,日本心臓血圧研究所を設立.48年,筑波大学副学長に就任.52年,榊原紀念病院を創立,現在院長として寧日なく活躍されている.多趣味で,特に油絵は二科展入選4回,ゴルフもお好きであるが,米子夫人には一歩を譲っておられる.

焦点 対談

疾病構造と医療の技術(上)—昨日から今日,今日から明日へ

著者: 砂原茂一 ,   川上武

ページ範囲:P.17 - P.22

 わが国の医療(学)は,戦後,特にめざましい発展をしてきた.しかし,近年になって,内部的にも外部的にも危機の状況を呈しており,今後どうなるかが,大きな課題となっている.本欄では,医療関係者を中心に,時には外部からの声を聞きながら,戦後の医療の発展をたどりつつ今後の医療,特に病院の進むべき方向を探る.第1回は,疾病構造の変化を背景に,医療の技術の発展とその過程で見逃してきたものなどをお話しいただいた.

精神医療の模索・13 座談会

精神科医に求められるもの—その倫理性をめぐって(上)

著者: 長野敬 ,   高宮澄男 ,   吉松和哉 ,   仙波恒雄

ページ範囲:P.51 - P.56

 価値観が多様化している現代社会では,倫理の問題は非常に難しい内容をはらんでいる.医療においても,人権思想の定着とともに,患者の権利意識が芽生えてきており,特に精神科医療では,その倫理性は問われねばならぬし,十分に検討論議される必要があろう.この座談会では,日常の医療の場で,倫理の問題をどうとらえ,それを実践にどう表現するかを中心にお話し合いいただく.本号では,その前篇を掲載.

設備機器総点検

ポケットベル・ベルダイヤルシステム—聖マリアンナ医大の経験

著者: 黒岩久雄

ページ範囲:P.57 - P.57

 最近の建築物は高さの制限も撤廃されて,超高層化した建物になっている.医療用設備についても著しい進歩を遂げ,特に高層にして巨大化した建物にとって重要な役割を果たしているのがポケットベルである.
 患者の命を預かる病院,診療所は緊急に連絡をとることが非常に多い職場であるので,その役割はなお重要である.

統計のページ

病院の原価管理—第1回 各部門を総合的にみる(上)

著者: 黒田幸男

ページ範囲:P.58 - P.59

最小原価で最大成果
 病院における原価管理が難しく,かつ実用化されにくいのは,原価計算が病院では種々の事情により実施しにくいことと,現行の医療費決定要件として原価計算結果が利用されないことがその原因となっている.特に個々の診療行為になると,病院によって,また疾病の程度によって,人,物,時間のかけ方が異なり,標準的原価の把握はもとより,費消される各種原価にバラツキが多いこともあって,それが原価管理のもつ意味合いを稀薄にさせている.いわば医療とは個別性の高いものであって,原価管理の対象とするにはなじみ難い要素が多すぎるのである.
 しかし,医療が現実に行われる場を考えてみると,そこでは多種多様の診療行為がひとつの方向性をもって繰返されていることから,原価管理的考え方によってそれを統制することは可能と考える.すなわち一つ一つの診療行為の原価管理は難しいが,部門単位では適用の可能性が高いのである.すなわち病院管理者の立場は,病院全体管理の視野から,人,物,金,技術を中心にした基礎体制作りをどうするかで,病院の経済的体質はそれによって大きく左右される.部門管理担当者は,その部門における固定体制(人,設備,器械機具)の操業度の高揚と材料などの変動費の節約,適正使用の管理に努め,現場従業員には原価意識の滋養に役立つような方向を目標としている.

医療の周辺医療経済 連載 医療経済の目標と課題—考え方の転換・1

医療経済の一般的考察

著者: 前田信雄

ページ範囲:P.60 - P.61

 今までの医療経済学は,どうも医療というものの経済学的説明であったり,経済学の手法や考え方の医療への応用を中心としてきた.それ自体意義はあったが,今後はもっと実践的な政策の明確化に寄与するものに進まなければならない.医療経済のあり方そのものに迫るものになることが社会的に要請されている.端的にいえば,数パーセントという対前年比経済成長率の国民経済の中で,5年後の1983年には20兆円に達するであろう医療費はとても支えきれないのである.与えられた経済条件あるいはかなりの経済努力の下での医療費配分,医療サービスの提供はどうあるべきなのか.そこでの系統だった考え方はどういうものか.それへの回答が,従来の説明論や問題指摘だけの医療経済論にとって代るものとして求められている.その考え方の一般論を本章で始めに述べ,各論はその後連載することにしよう.

講座 入門・診療記録管理・1

診療記録管理室開設の第一歩

著者: 栗田静枝

ページ範囲:P.62 - P.63

はじめに
 入院および外来の診療の記録を,1か所に集めて整理・分類をし,索引を作り,正しく保管するとともに,医療統計や医療評価等のための資料を作成する--これが診療記録管理の業務である.そして,これらの業務を専門に行う診療記録管理室を持つことが近代病院の運営に不可欠であるということは,今日では,病院管理者のほとんどが,一応理解をしていると思う.しかし,私がこの仕事を始めた頃は,診療記録管理は一般に知られておらず,病歴管理という概念でようやく注目を浴び始めていたのである.そして,20数年を経た今,診療記録管理という言葉も,どうにか耳新しいものではなくなってきたといえる.
 この業務に対する関心が,年とともに高まっていることも周知の事実で,診療録管理学会,各地方の研究会,セミナー等が盛んに開催されるようになってきている.新設の大学病院では,コンピュータを導入したとか,最初からマイクロフィルムを使って保管をするなどと,スタートから,かなり大がかりな機械化を誇っている.

実務のポイント 給食

温食給与の実際

著者: 大関政康

ページ範囲:P.64 - P.65

 適温給食は適時給食(夕食時間の繰下げ)とともに,現在の病院給食が抱える大きな課題である.
 本来,食事が最もおいしく食べられるのは,使用食品・献立・調理技術とともに食事の適温が保持され,調理後,直ちに喫食される場合である.ホテル・飲食店などの食事,あるいは中華料理やフランス料理などのおいしさは調理したものが直ちに喫食されることで保たれている.

薬剤

麻薬取扱い上の注意

著者: 岩崎由雄

ページ範囲:P.66 - P.67

はじめに
 麻薬の取扱い(麻薬管理)は薬剤管理業務の中で,法的に最も厳しい管理がなされている.本稿では主として当院で実施している概要を記す.
 免許・購入・保管・出納・麻薬調剤・記録・廃棄・残余麻薬処理・事故届・覚せい剤などについて実際使用している票帳を例示した.

検査

臨床検査機器の管理

著者: 水野映二

ページ範囲:P.68 - P.69

 病院における診療の要求に応えてゆくためには,臨床検査の役割(正確,精密,迅速,微量,簡便)を達成できる機器が使用される.この目的のための機器の発展は著しく,複雑,精密な装置が出現してきている.
 臨床検査用の機器を分類すると,①患者検査機器(生理機能検査,内視鏡,超音波検査,X線検査,核医学検査など),②検体検査機器(臨床化学検査,血液学検査,免疫血清学検査,微生物学検査,病理組織学検査,核医学検査),③検査業務共通機器,設備などがある.

現場訪問

仙台市立病院医療相談部足利量子さんに聞く

著者: 本誌編集室

ページ範囲:P.70 - P.71

 現在,わが国の病院で働く医療ソーシャルワーカーは,精神,結核,らい,リハビリテーションの施設も含め約1,600名である.医療チームの一員として重要な役割を担うといわれているにもかかわらず,その数はまだ不十分である.また,病院組織上でも,身分上でも不明確,不安定であり,本来の業務を十分に行えないワーカーが多い.
 そこで,ワーカーの組織である日本医療社会事業協会では,20年来続けてきた資格制度の問題を,その制度確立に向け,1977年の広島総会を機に,署名運動を開始,1978年4月には関係機関への請願を展開して衆参両院の採択をみている.

今月の本棚

—柏木 哲夫 著—「死にゆく人々のケア末期患者へのチームアプローチ」

著者: 本田醇一

ページ範囲:P.72 - P.72

病院のもうひとつの役割を呈示
 医学の発達に伴い,以前では考えられない難しい病気が克服され,社会復帰に導かれるケースが多くなってきた.逆にその高度さゆえに,医療ではどうにもならない病気や,老人病院の増加により病院で死をむかえる人々に対する医療従事者のもうひとつの役割の比重が重くなってきている.

新・病院建築・13

日本赤十字社中央血液センター—拡充された血液事業の中心的施設

著者: 北代禮一郎

ページ範囲:P.73 - P.78

はじめに
 日本赤十字社は,昭和23年ストックホルムで開かれた第17回赤十字国際会議での決議のもとに、日本全国の血液事業を担当することになり,その第一歩として昭和27年,日本赤十字社中央血液センターを設置した.以来,中央血液センターでは,献血による保存血液その他の血液製剤の研究開発および供給,血液の検査,献血思想の普及その他献血に関する必要な事業を行ってきた.
 このたび,日本赤十字社創立100周年記念事業の一環として,血液事業の中心的施設として施設の拡充を図るとともに,将来の技術進歩に対応できる施設,災害に対して堅牢で安全な公共的性格の高い建物としての計画を行った.

海外の医療・1

学ぶべき奉仕の精神と自力更生—佐分利医務局長にきく中国の医療

著者: 佐分利輝彦 ,   紀伊國献三

ページ範囲:P.80 - P.83

 世界の医療は,大きく三つに分類されるというのがこれまでの常識であった.先進国,社会主義国,発展途上国の医療である.しかしブライマリヘルスケアの叫ばれる今日,発展途上国の医療内容もさまざまな面を見せている.組織立て積極的にプライマリヘルスケアを推進しているところとまったくの未開の地域があるからである.本欄は,その時々の話題を追いながら,移りゆく世界の医療の動向と病院の活動を紹介していく.

いま民間病院は

民間病院の悩み(1)—関東地区病院院長7氏に聞く

著者: 鈴木憲輔 ,   柏戸正英 ,   河野弘道 ,   三枝義雄 ,   大司俊重郎 ,   熊谷頼明 ,   依光一夫

ページ範囲:P.84 - P.87

 全病院の6割を占める民間病院は,今大きな壁にぶつかっている.高度経済成長下で,順調な発展を遂げてきたかに見える民間病院だが,総医療費抑制や,一般市民の高機能病院志向の動きの中で,内外から見直しが迫られているからである.
本誌は毎年民間病院を対象としたシリーズを組んでいるが,本年は特に民間病院の問題点の掘起しとその意見を反映させる予定である.まず第一に千葉,埼玉,神奈川,東京の7病院院長に,各病院の悩みについてお話し合いいただいた内容を1,2号に分けて掲載する.今回は各病院の紹介と問題点を,次号では出された問題についての討議をまとめてみた

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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