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雑誌目次

雑誌文献

病院38巻12号

1979年12月発行

雑誌目次

特集 病院図書室

病院図書室の実態と問題点

著者: 平川裕子

ページ範囲:P.998 - P.1003

 病院には病院長,事務長から守衛に至るまで様々な職種があり,それぞれに問題を抱えているが,図書室にしても例外ではなく,むしろ問題の宝庫とも言える.全体的にみて,病院図書室はこれまで無い物づくしでやってきたところが大半で,金なし場所なし人なし(もちろん例外もあるが)の観を否めない.
 近年とみに医学情報の大量化と多様化は著しい(図1).量に圧倒されるだけでなく,これまでのような雑誌,単行書のほかに,TV,カセットテープ,ビデオ,それにコンピュータまで,情報伝達の手段も実に多彩である.病院の図書室とて,例外なくその洗礼を受けている.しかし,病院の図書室は病院の全スタッフの栄養源と言われていながら,果たしてこうした情報の爆発についてゆけるであろうか.そう思って病院図書室の現状を振り返ってみると,暗い面ばかりだが,現実は現実,少しずつ明るくしてゆくことから始める以外に途はない.そんな思いをこめ,病院図書室のありのままを記し,問題をさぐってみた.なお,ここでは,患者のための病院図書室については述べないこととした.

病院図書室のリファレンス・ワーク

著者: 川原佳子

ページ範囲:P.1004 - P.1008

 従来,図書館の持つ機能は人と資料,あるいは人とその資料中に含まれる情報との結びつきを広め,深める媒体としての役割を果たすことにある.この媒体機能には二つの側面があり,図書館資料の保存と利用がこれに当たる.この働きを果たすために,各種資料の選択,収集,整理,施設・備品の維持管理,それと「利用サービス」と呼ばれる利用者に対する直接的サービスが行われる.今から述べる「リファレンス・ワーク」は「閲覧・貸出業務」と並んで,この直接的サービスの重要な要素となるものである.
 情報量が増大し,コミュニケーションの手段と内容が多様化している現代では,規模の大小,館種を問わず,一館のみの所蔵資料で利用者の要求をまかなうことは不可能である.そこで,単に収集した資料を保存しているだけで利用サービスが欠落しているならば,それは書庫としての役割は果たしえても図書館の名に価しないということができよう.

医療情報と病院図書室

著者: 足立純子 ,   小野田敏郎 ,   上原みどり ,   後藤久夫 ,   篠原寿美江 ,   三竹年世子

ページ範囲:P.1009 - P.1014

 司会医療法の22条に,病院を設立するにはその施設の中に図書室がなくてはいけないということが触れられていますが,それにもかかわらず,あるアンケートによりますと,病院図書室はたいへんプアーです.東京近辺の某国立病院の部長が,「アンケートに答えるだけの資料が自分のところにはない,これでいいのでしょうかね」とおっしゃっていたことがたいへん印象的でした.
 きょう,お集まりの方々は,病院図書室の中でも比較的よく整っている施設の方々ですが,これはもちろん,病院の管理者の方のご理解もさることながら,司書の方たちがたいへん努力されている結晶であると思います.きょうは佼成病院長の小野田先生にもご出席いただきまして,管理者という立場から,病院図書室をどうとらえているかといった点も含めて,いろいろお話をうかがたいと思います.よろしくお願いいたします.

クリニカル・メディカル・ライブラリアンの動向

著者: 足立純子

ページ範囲:P.1015 - P.1019

 聖路加看護大学学長の日野原重明先生から,エール大学には診療チームに必要な情報をすぐに提供するために,回診にも参加する図書館員がいるらしいと,以前伺ったことがあった.1977年,エール大学を訪れる機会に恵まれた.この時,エールの図書館員から,より本格的な活動を行っている病院として,コネティカット州ハートフォード病院を紹介された.そして,日本より質・量共に発達しているコンピュータによる文献検索システムを活用して新しいタイプの図書館サービスが行われており,それを行う図書館員は,Clinical Medical Librarian(臨床医学図書館員)と呼ばれていることを知った,このサービスは,大学病院のみならず一般病院においても年々行われるようになっており,また,様々な形をとりはじめている.
 先頃,慶応大学の津田良成先生によってもこの図書館員の紹介がなされたが1),Medical Librarian, HospitalLibrarianに比べると,このClinical Medical Librarianという言葉は,我々,図書館に勤務する者にとってもまだ耳新しい.初めの頃は,Science Information Spe—cialistと呼ばれたこともあったようであるが,現在はClinical LibrarianまたはClinical Medical Librarian(以下CMLと略す)という言葉が一般的となっている.

グラフ

脳卒中救命に取組んで10年—秋田県立脳血管研究センターを訪ねて

ページ範囲:P.985 - P.990

 秋田県立脳血管研究センター(以下秋田脳研)は,我が国では唯一の脳卒中専門病院である.開設は昭和44,ちょうど10年を経過している.秋田駅から徒歩で10分ほどのところに立つこの病院の建物はすでに古びて目だたないが,ひとたび内部に足を踏み入れると,1階から6階まで,コンパクトながらきわめて密度の濃い診療と研究が行われている.
 開設当初の昭和40年代の初頭では,秋田県は脳血管障害による死亡は全死亡者数の35%を占め,日本一の脳卒中県といわれ,その予防と治療は県の医療対策の最重要課題となっていた.そこでこれらの疾病の克服を目指して,昭和41年12月脳血管研究センター設立委員会が設置され,委員長に副知事,委員は当時の東北大の中村隆内科教授,葛西森夫外科教授ら9人で構成された.43年12月センター研究所開所,44年には病院の外来診療および入院診療を開始した.

人並みはずれた経営手腕で病院を築く新潟県立吉田病院院長 中畠健氏

著者: 寺田一郎

ページ範囲:P.992 - P.992

 氏は任侠の地上州は前橋の産.前橋中学,山形高校を経て昭和16年12月の新潟医大卒である.上州及び出羽の雄大な自然環境の中に多感な青春の日々を送ったことは,後年第41駆逐隊軍医長(大尉)で冬月に乗艦,海上特攻隊として戦艦大和と共に沖縄に殴り込みながら万死に一生を得て生還したという想像を絶した極限体験と共に,今日の氏のひととなりの形成に大いに与ったものと思われる.
 復員後母校の病理教室で学位を得,第一内科教室で内科学をおさめ,鶴岡市立庄内病院を経て,昭和30年県立吉田病院開設に当たり初代院長として招聘され今日に至っている.96床のスタートであったが,今や小児慢性疾患病棟200床を含めて455床を数え,県立吉田養護学校,附属看護専門学校をも併設した緑化も見事な大殿堂を仰ぎみるとき,人は氏の病院経営をめくる手腕か並みのものてないことに首肯せざるを得ないてあろう.

焦点 対談

プライマリー・ケアと病院(下)

著者: 岩崎栄 ,   若月俊一

ページ範囲:P.993 - P.997

 我が国の病院がプライマリー・ケアを実践するには,何を,どうすればよいのか.11月号では,その本質とよって来る背景から話合っていただいたが,本号では,二つの病院の第一線医療の実践例を紹介しつつ,プライマリー・ケアを論じていただく.

ニュース

盛況極める第8回日本病院設備学会,他

著者: 編集室

ページ範囲:P.1008 - P.1008

 年ごとに参加者が増え,各方面の病院設備に対する関心の高さに驚かされるのだが,去る11月21,22日,東京千代田区科学技術館サイエンスホールで行われた第8回日本病院設備学会も参加者が場外にあふれ,また入場者配布予定の予稿集も途中で品切れになるほどの盛況であった.参加者約700人.本学会はシンポジウム形式をとっており,今回は「協調ある病院建築と設備計画をめざして」を主題目に,特別講演及び4つのシンポが行われたが,主な内容は以下の通り.
 まず第一日目午前のシンポ「中材部門の機能とその建築・設備計画」(司会筑波大栗原嘉一郎氏)は,中材部門の持つべき機能とその院内における位置づけという基本問題について,池田和之(浜松医大),井上道子(倉敷中央病院),京谷光子(帝京大)の三氏が経験,実情,評価を語り,中野明(阪大),林勝宏(サクラ精機)氏が地の事例も含めて中央化の計画と可能性を述べた.

寄稿 老人保健

名古屋市南区における老人ボランティア活動

著者: 内田清一

ページ範囲:P.1021 - P.1023

名古屋市の老人保健に対する施設と現況
 老人施設として養護老人ホーム,特別養護老人ホーム,軽費老人ホーム,老人福祉センターなど,老人の保健を主体としたものが,愛知県下全体では老人憩の家を加えると実に186か所の多きを数え,それぞれの特色を競っている.しかし,今回特に話題に供したいのは,この中の老人福祉センターを対象とした,極めてユニークな老人ボランティアの活動である.名古屋市には役所が運営している老人福祉会館が名古屋市の16区にそれぞれ1つずつ設立されており,各区が特色ある運営をしているが,特に昨年末に南区に創設された名古屋市内で初めての老人福祉センターは大きな話題を呼んでおり,特にこれをめぐっての老人ボランティアの活動は全国に類をみないものである.

設備機器総点検

順送式入浴装置

著者: 辻信子

ページ範囲:P.1025 - P.1025

 高齢化社会と言われる現在,老人の看護及び介護面における問題は多多ある.殊に日毎に虚弱化が進み,量的にも増大する老人の介護者の腰痛は多い.特に入浴介助時に起る頻度は高い.寝たきり老人や一人で入浴不可能な人も楽に入浴でき,介助者の腰痛も防止できる入浴方法はないものかと検討し,この順送式入浴槽を導入した.

統計のページ 病院の原価管理・10

補助部門の原価計算(2)

著者: 黒田幸男

ページ範囲:P.1026 - P.1027

補助部門職員数と原価
 病院の職員数は5年で3.6%増加しているが,補助部門は実数で8人(8.2%)(図55)増えている.もっとも,そのうちの6人(6.1%)は当院原価計算の都合により52年調査時に救急部門を主部門より補助部門に移したことが原因である.職員構成は特設部門である看護学院の拡大に伴う増員が主である他は変化は少ない.職員総数に対する補助部門職員の割合(図56)は18〜20%である.
 補助部門が直接費消する原価の構成は図57,58のとおりである.一般管理及び洗濯・リネンの経費には委託業務費が含まれているため原価に占める割合は高いが,その他の部門は原価のほとんどが給与費である.原価の上昇率(表38)は中材が最も高く2〜3倍であり,洗濯・リネン,医事がそれに次いでいる.

医療の周辺 生物学—最近の話題・2

体外授精—試験管ベビーの動向

著者: 長野敬

ページ範囲:P.1028 - P.1029

 遺伝子操作のことを前回取上げたが,これと並んで社会から広く関心をひいている生物医学技術として,いわゆる試験管ベビーがある.ただしこの表現が不正確なことはいうまでもない.正しくは単に体外授精というべきもので,現在のところまだ,受精卵が数回の細胞分裂を経たあとで,子宮内にもどるからである.
 昨年夏にイギリスで,ステプトー,エドワーズ両博士の手で最初の成功例が発表されたのは,テンポの早い現代ではすでに印象が薄れた感じさえあるが,この10月に第9回国際産婦人科連合世界大会でステプトー博士が来日し,講演したことから,新聞などでも改あて話題として取上げられた(『医学界新聞』1374号など).

講座 入門・ME機器の正しい使い方・4

除細動器は正しく使っていますか

著者: 小野哲章

ページ範囲:P.1030 - P.1031

除細動器とは
 心室が何らかの原因で細動(フィブリレーション)を起こすと,心室はさざ波を打ったように細かく動くだけで,血液は拍出されなくなってしまう.この状態が数分以上続くと死に至る.
 細動を起こした心臓に,外部から大きな電圧を一瞬間加え,心筋全部を一度に興奮させ統一のとれた収縮に復帰させるのが,除細動器(デフィブリレータまたはカウンターショックなどとも呼ばれる)の役目である.

実務のポイント 図書

病院図書室の管理と運営

著者: 小田中徹也

ページ範囲:P.1032 - P.1033

 高度化,複雑化する病院医療に対応するために,科学情報としての医学情報を病院が医療従事者に徐々にではあるが保証するようになってきた.それは医学情報が個人の力ではカバーしきれないほど膨大で広範囲になったからである.それゆえ,病院図書室への期待と不満も利用者から日常よく聞く.
 現在の病院図書室は総体的にみて,病院において市民権を得た位置にはない.少数の病院を除き,専門性や予算面でかなり不合理な面がある.したがって科学情報を網羅的に扱わねばならない図書館に不可欠なネット・ワークの整備も十分にでき得ない.こうした現状にもかかわらず,図書室担当者はサービスの向上を目指し,近年,特に活発な活動を見るようになった.

施設

停電時の対策

著者: 清水昭三 ,   入江完 ,   田中清

ページ範囲:P.1034 - P.1035

 現在,停電としては,地震時など危急の災害発生が心配されるが,その場合,商用停電と院内停電とがあろう.商用の場合は,当院では電圧発電機を運転し送電することになるが発電機用エンジンは水冷式を使用しているので冷却水に関して問題になる.当院では当初井戸水を冷却水として使用していたが,東京都の井戸水扱上げ規制のために現在は市水を使用している.しかし,災害発生時には,市水が断水されると思われるので,病院等の特別な施設に対しては既設の井戸の使用を認めるべきではないだろうか.関係諸官庁のご一考を本誌を借りてお願いしたい.
 なお,当院の現在の電気設備は電圧6kV,設備容量2,200kVA,契約電力810kWで電圧発電機回路の故障を考慮し,最近200V,発電容量150kVAの低圧発電機を設置した.

看護

病棟のオリエンテーション(2)

著者: 佐藤とく

ページ範囲:P.1036 - P.1037

継続病棟オリエンテーション(表3)
目的
①病棟を具体的に理解する.②知識・技術の習得と実践応用ができる.③チームの一員として,円滑に活動できる.④レベルの調整・質的向上を図り職業人としての自覚を育成する.

現場訪問

藤沢市民病院医学図書室 木間たか子さんに聞く

著者: 本誌編集室

ページ範囲:P.1038 - P.1039

 本号の特集企画が病院図書室であることにちなみ,この欄にもフレッシュな司書に御登場願った.藤沢市民病院の木間たか子さんである.藤沢市民病院は昭和46年の開設,当初から最新の病院管理を積極的に取り入れ,図書室も,決して規模は大きくないが,効果的に運用されている.自治体立の研修指定病院の図書室として,一つのモデルであろう.木間さんは東洋大学で図書館学を専攻,52年の卒業と同時に現在の仕事に就いたという.まだ初初しい女性である.
—病院の図書室を選ばれた動機は?

今月の本棚

—高野 孟他 著—「徳洲会戦略—その秘密と構造」/—ばば こういち 著—「徳田虎雄の研究」

著者: 二木立

ページ範囲:P.1040 - P.1040

徳洲会ブームを示す二著
マスコミ注目の徳洲会
 最近,徳洲会が"医療革命の旗手"として大きな関心を浴びている.
 徳洲会とは,若冠41歳の青年医師徳田虎雄氏の率いる医療法人,病院チェーンであり,現在大阪,沖縄で5病院を開設している他,神奈川,京都,福岡などでも矢継ぎ早やに病院建設を行っている.

新・病院建築・24

ノルウェーの病院建築

著者: 河口豊

ページ範囲:P.1041 - P.1046

はじめに
 スエーデン・デンマークとともに北欧3国を成すノルウェーは,他の2国に比し,日本人が訪れることの少ない国であろう.白夜とフィヨルド,海運・漁業と鉱工業,そして古くはバイキング,新しくは北海油田の国としてしばしば話題にのぼる.筆者は本年6月に国際病院連盟(IHF)主催による第21回国際病院学会へ参加のためノルウェーを訪れる機会を得た.首都オスロ市での会議には各国から約1,300人が参加し盛大に催された.前回の学会は77年に東京で開催され,成功裡に幕を閉じたことは記憶に新しい.約2週間の滞在であったが,入手した資料と見学した病院から,ノルウェーの病院建築の一端を御紹介したい.
 ノルウェーはスカンジナビア半島の西半分を占め,その面積は大小の島を含め約38万km2であり,我が国とほぼ同じである.緯度は北緯58度から71度(スバールバル島を除く)と高緯度であるが,大西洋を北上するメキシコ湾流により1月の平均気温は−5度と意外に低くない.ちなみに北海道宗谷岬は約北緯45度30分であるが,網走での1月の平均気温は−7度とむしろ低い.国土の1/3が北極圏に入るため,北部地方では夏の白夜と冬の暗昼がある.

精神医療の模索・23 鼎談

精神科医療における治療技術(2)

著者: 笠原嘉 ,   保崎秀夫 ,   佐藤壹三

ページ範囲:P.1047 - P.1051

精神科医のアイデンティティ
 佐藤ある精神科医が,21世紀の予測として,20世紀では分裂病の本体は分からないだろう.しかし,21世紀になると薬ができて,もうほとんど外来診療で,今の結核のように治ってしまうだろうと述べていましたが,この点いかがでしょうか.
 保崎もし生化学的な面で分裂病の本体が分ってきてとかいうことになると,それに合わせて,薬というのは当然機械的に出てくると思いますから,そういう意味では,疾病の本体の研究がどこまで行くかだと思います.その予測では,たしか癌のほうが早く治療法が見つかるということでしたね.

海外の医療

一外科医の見た新生中国の医療

著者: 熊谷義也

ページ範囲:P.1052 - P.1056

 本年1月17日から1月26日までの10日間,衆議院議員楢崎進氏率いる友好親善訪中団の一員として訪中し,中国における「医療の現況について視察」「内視鏡実技デモンストレーション」「中国政府中央との医療問題に関する討論」の機会を得た.ごく限られた範囲ではあるが,私の感じた中国の医療行政の将来にかけての問題点のいくつかについて報告したい.なお,訪中前の私は特に中国通というわけでもなく,新聞・雑誌に報道される程度の知識の持ち主であったことをお断りしておきたい.

いま民間病院は

地域に根づくために

著者: 小原準三 ,   白山鴻鍵 ,   細田健二

ページ範囲:P.1057 - P.1059

殼を破って住民の中へ
 私立の中小病院が地域の住民の中に根をおろしているか,いないかはその病院の規模,性格にもよるが,普通の民間病院であれば,多かれ少なかれ地域の患者層を持っていないところはない.それが地域住民に密着して経営しているかいないかということになれば病院によって差があると見ないわけにはいかない.
 ここでいう病院とは,大病院,特殊病院の意味ではなく,普通の民間中小病院のことで,表題のためには,各自それぞれ見解はあると思うが,私の持論としては,一朝一夕に効果は期待できないかも知れないが,要は病院に地域住民の医療センター的性格を持たせることである.

研究と報告【投稿】

病歴管理のEDPS化—浜松医科大学附属病院における外来病名登録と退院時要約の入力

著者: 金丸光隆 ,   福島壮敏 ,   村島健一郎 ,   鈴木孝征 ,   横堀史男 ,   山口智子

ページ範囲:P.1061 - P.1063

 浜松医科大学附属病院は,昭和52年11月に開院し,診療を開始してから,約1年を経過した.病院の設計段階より,カルテなどの搬送装置の採用,医事業務の電子計算機処理が考慮されており,開院時より本番稼動している.同時に,病歴管理システムも計画し,第1次計画として,外来病名登録,退院時要約の入力をスタートさせている.既に多くの施設で試みられている内容であるが,病歴管理の第1歩であるこのような仕事であっても,種々の問題点があり,その運営は必ずしも容易ではない.我々が経験したこの1年間の病歴管理システムの稼動状況,問題点,また,今後の第2次計画以降の展望について報告し,批判・意見を仰ぎたい.

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「病院」 第38巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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