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新・病院建築・24
ノルウェーの病院建築
著者: 河口豊1
所属機関: 1厚生省病院管理研究所
ページ範囲:P.1041 - P.1046
文献購入ページに移動スエーデン・デンマークとともに北欧3国を成すノルウェーは,他の2国に比し,日本人が訪れることの少ない国であろう.白夜とフィヨルド,海運・漁業と鉱工業,そして古くはバイキング,新しくは北海油田の国としてしばしば話題にのぼる.筆者は本年6月に国際病院連盟(IHF)主催による第21回国際病院学会へ参加のためノルウェーを訪れる機会を得た.首都オスロ市での会議には各国から約1,300人が参加し盛大に催された.前回の学会は77年に東京で開催され,成功裡に幕を閉じたことは記憶に新しい.約2週間の滞在であったが,入手した資料と見学した病院から,ノルウェーの病院建築の一端を御紹介したい.
ノルウェーはスカンジナビア半島の西半分を占め,その面積は大小の島を含め約38万km2であり,我が国とほぼ同じである.緯度は北緯58度から71度(スバールバル島を除く)と高緯度であるが,大西洋を北上するメキシコ湾流により1月の平均気温は−5度と意外に低くない.ちなみに北海道宗谷岬は約北緯45度30分であるが,網走での1月の平均気温は−7度とむしろ低い.国土の1/3が北極圏に入るため,北部地方では夏の白夜と冬の暗昼がある.
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