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精神医療の模索・14 座談会
精神科医に求められるもの—その倫理性をめぐって(下)
著者: 長野敬1 高宮澄男2 吉松和哉3 仙波恒雄4
所属機関: 1自治医科大学 2真愛会高宮病院 3東京都精神医学総合研究所 4同和会千葉病院
ページ範囲:P.167 - P.172
文献購入ページに移動仙波疾病概念,特に分裂病にしても精神科医のコンセンサスを得ることは難しい状況ですが,精神科医の立場からそんなに全部クリアカットに一致できなくても,ある程度の倫理性とか患者の扱い方が決まりそうな気がするんです.それが,ある先生は非常に遺伝的な考えで,もう不治の病であるという考えに固執される人の管理する病院なり患者の処遇というのは,そうでない立場をとる所とは非常に違うんですね.
吉松その点,現在の段階ではいろいろな立場があるのだということに対し,寛容であるということが臨床医としてのひとつの倫理じゃないかと思うのです.
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