病院39巻10号

1980年10月発行

特集 救急医療その院内体制・2

時刻別受診者分布による総合病院救急部機能の検討—東大病院救急部を例として

著者： 堺宣道¹ 村上正孝² 三井香児³

所属機関： ¹東京大学医学部公衆衛生 ²筑波大学医学専門学群社会医学系 ³東京大学附属病院救急部

ページ範囲：P.861 - P.863

文献概要

はじめに
　近年，救急医療に対する需要の増加が注目されているが，その中には，時間外診療施設として救急施設が利用され，現実問題として救急施設がその業務に支障を来たしている場合も少なくない．
　東京都医師会調査^1）によると，救急車による救急施設への来院は全救急受診者数の22％であるが，救急車搬送による受診者の50％は軽症であり，また入院のケースは5％以下であるとのことである．更に，来院患者のなかには，時間外診療施設の受診が当然と考えられる例がかなり含まれているといわれる．