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文献概要
医療の周辺 生物学—最近の話題・4
生命の機械論と医学教育
著者: 長野敬1
所属機関: 1自治医科大学・生物学
ページ範囲:P.148 - P.149
文献購入ページに移動教養課程の生物を担当していて,筆者なりに講義で強調することの一つは,生命の機械論的な見方ということである.今や生命機構は徹底的に分子機械として理解されてきた.それだからこそ遺伝子操作や人間工学も可能になった.そして人間も,特殊性はもちろんあるけれども,動物からの絶対的な不連続は何もない存在である以上は,やはり機械という目で理解できる.その理解が分子・原子のレベルまで精緻に完成してきた一例は,もちろん分子遺伝学の分野だけれども,個体の生理機能で言えば,筋収縮の機構が手ごろな具体例である.生理学の基礎知識として,もちろん必要なものだけれども,それ以外にも以上のような含みで,筋肉を取り上げることがある.筆者流の話の持ち出し方を,一通りご紹介してみたい.
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