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小特集 クリニカル・ファーマシィの導入
ドラッグ・ユーティリゼーション・レビューとクリニカル・ファーマシィ—歴史的背景とその将来
著者: 川崎近太郎12
所属機関: 1大阪大学 2神戸学院大学薬学部
ページ範囲:P.302 - P.306
文献購入ページに移動Rational prescribingという概念は臨床薬学の実践において基礎になるものである.原文でその定義を示すならば,"Prescribing the right drug for the right patient, at the right time, in the right amounts, and with due consideration of relative costs."である,正しい薬を適時適量,適切な症状に対して患者に与えるべきことは当然であるが,保険制度下では投薬について経済的な制限が加えられる.適切な価格比較の考慮をもって,処方せんの決定を求めること,すなわち自由競争の資本主義国でまたは社会保障制度下での薬剤選択を合理化しようとするのは極めて困難な仕事である.
米連邦政府HEW (Heaith, Education and Welfare)のTask Force on Prescription Drugsがいわゆるジョンソン大統領の唱えたアメリカの求めるgreat societyとしての社会保障制度下の医療対策であり,その勧告として提案されたのがrational prescribingである.具体的にはこの特別委員会最終報告は"主要知見の総括"48項目,"勧告"25項目を挙げている1).
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