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雑誌目次

雑誌文献

病院39巻5号

1980年05月発行

雑誌目次

特集 ニッパチ,その後

ニッパチが看護にもたらしたもの

著者: 吉武香代子

ページ範囲:P.385 - P.389

 ニッパチということばが看護界を嵐のように吹き荒れたのは,昭和40年5月の人事院裁定から2〜3年後のことであったろうか.人事院という官庁の性格から考えれば,いわゆるニッパチが,看護サービスの向上よりは看護婦の労働条件の向上を強く前面に押出していたことは,いわば当然であったとも言える.
 ニッパチ以前の看護を知る看護婦の数が次第に減少し,いつの間にかこれが当然のように受け取られているこのごろである.そこに,どれだけの変化があったかを目撃したものが,変化の意味をあらためて考えることも,意義あることかもしれない.

ニッパチがマンパワー問題にもたらしたもの

著者: 清水嘉与子

ページ範囲:P.390 - P.394

 時々臨床の場で働いておられる看護婦さんの研修会にうかがうことがある.「皆さんの病院では看護婦が充足していると思いますか」とたずねてみると,数年前まではときに手を上げる人がいても,やや周囲を気にして控え目だったのに,最近ではそれほど抵抗もなく上げる手の数が多くなった.では「なぜ充足していると思いますか」と重ねてたずねてみると,ほとんどの人は「ニッパチ要員がいるから」という答えをする.
 患者の数や症度,要求される看護内容とかにかかわりなく看護婦数の充足を云々することは本来おかしいことではあるが,ニッパチが一つの看護婦配置の基準となっており,現場でもそれを体験的に容認していることを表しているといえよう.

看護量算定研究の結果を使ってのニッパチへの提案

著者: 高橋令子

ページ範囲:P.395 - P.400

 今回,この「ニッパチ,その後」の特集に当たり,私どもが昨年雑誌「看護研究」(Vol.12,No.2)にその一部を発表し,また同じく昨年自治体病院協議会雑誌9月号に綴込付録として掲載していただいた「看護度別による看護量の測定」と題した研究の結果を使って「ニッパチへの提案」を書いてみないかとおさそいいただいた.私は48年に現職を拝命したもので,闘争の真只中にいたわけではなく,当時看護学校から「ニッパチ問題」を心情として理解し,ある意味ではその結果を高く評価するものの一人ではあるが,いつか「業務の質と量に応じた人員,体制を考えなければ看護は発展しないだろう」と考え,言い続けてきたものである.総婦長になってからもそのことが脳裡を離れることはなかったが,ようやく53年1年をかけて全看護要員の参加と協力を得て研究調査し,その結果を昨年発表することができた.今その全文が6月には発刊できるよう自治体病院協議会で作業が進められている.
 以下その資料の一部を使って当院の実態から説明したいと思うが,紙面の都合上,表の提示にとどまり説明不足になるきらいがある点をはじめにお断わりしておく.

労働衛生学上からみた"ハチ"の検討—看護婦の夜勤・交代勤務の改善方向

著者: 酒井一博

ページ範囲:P.401 - P.404

労働条件としての夜勤問題
 看護婦の夜勤問題をめぐってこれまでにも様々な議論がなされているが,その検討に当たっては労働条件問題として明確に位置づけたうえで,各職場の現状の問題点を洗い出し,その改善方向を探っていく視点が大切と思われる.
 夜勤・交代制についてはその反生理性と,勤務編成によって生じる不規則生活の問題を軸に,疲労,健康,安全,睡眠,家庭生活,余暇,地域・社会生活などの広範囲の影響を介して,有害な労働条件として指摘されることが一般的である1〜3).特に,1978年には日本産業衛生学会交代勤務委員会が独自に行った調査結果と,内外の膨大な研究成果に基づく勧告点を『夜勤・交代制勤務に関する意見書』4)にまとめているが,そのなかで注目される点は,「交代勤務条件の改善の方向」の第1項として,深夜業及び交代制勤務の制限問題に触れ,「経済的理由による交代制導入の禁止」と「生産技術上ないし公共サービス上の理由による交代制導入の許可制」を明確に打ち出していることで,それだけ夜勤・交代制勤務が労働者に及ぼす影響の大きいことを裏書きするものといえよう.

当院の夜勤体制

著者: 中野トヨ ,   星野ひで他 ,   水野精己 ,   高木玉尾 ,   塚田八重子

ページ範囲:P.405 - P.413

2人夜勤単位で月10〜11日--国立札幌南病院
当院沿革と役割変遷
 当院は昭和18年10月,軍事保護院所管の傷痍軍人療養所として創設され,結核治療に専念して来た.外科療法,化学療法の進歩により結核患者は年々減少の一途をたどり,従来の結核病床の一部を脊髄小脳変性症,重症筋無力症等の神経.筋難病,肺癌等の呼吸器系難病及び脳卒中後遺症等の一般慢性疾患患者の医療に転換し政策医療の任務遂行に努力している.昭和54年度における病床数は医療法上501床(結核308床,一般193床)で,一般病床の年度別転換の経過は昭和41年,地域医療需要として一般50床,49年神経・筋難病40床,51年呼吸器系疾患(肺癌等)53床,54年神経・筋難病50床であり,最終拠点としての結核医療と併せて疾病構造の変遷に対応した役割を果たしている.因みに総職員数は215名中,看護婦105名,医師17名,その他93名であり,過去10年間に増員がなされたのは主として看護職員のみである.

資料

ニッパチの分布

著者: 米田啓二

ページ範囲:P.414 - P.416

自治体病院のニッパチの現状を平均,準夜2.3人,深夜2.2人,勤務日数10日と推定する
 自治体病院における看護婦等の夜間勤務の現状,いわゆるニッパチの現状について,病院の種類別に,病床の規模別に,また,開設者の別に,更に,これらを病棟の規模別に,病棟の種類別に最近(53年当時)の状況を推定すると,表1〜3のとおりである.また,参考までに,これらの区分ごとに1看護単位当たり看護要員数を推定すると,表4のとおりである.
 まず表1をご覧いただきたい.総数では,勤務者数は,準夜2.3人,深夜2.2人,勤務日数は,準夜,深夜加えて(以下,準夜と深夜を加えて「夜勤日数」という)10日となっている.これを病院の種類別にみると,一般病院では,準夜2.3人,深夜2.2人,夜勤日数は10日となっている.精神病院では,準夜2.1人深夜2.0人,夜勤日数は10.1日となっている.結核病院では,準夜2.1人,深夜2.0人,夜勤日数11.9日となっている.

アンケート

ニッパチをどう考えますか

ページ範囲:P.417 - P.420

 昭和40年,人事院裁定以後,全国を席巻した「ニッパチ」ではあるが,あれから15年,病院関係者は今,ニッパチをどのように把え,どのように考えているのか.種々の立場からの様々な意見を誌面に反映すべく,アンケートを企画し,100余通の発送,36通の回答を得た.回答者は院長7,事務関係者11,看護関係者17,その他1であった.地域的にかなり偏在している点はあるが,大方の意見は「ニッパチが労働条件改善の一つの基準としての役割を果たしたことは認める」が,「現在はニッパチにとらわれず,病棟に応じた柔軟な体制を敷く必要がある」としている.その他3交代制への疑問,実施上の問題点の指摘も見られた.
 なお,以下に列記する回答の病院別ニッパチ実施状況は,ニッパチが出来ている19(民間病院8,公的11),出来ていない16(民間8,公的8),その他1.出来ていない16病院のうち実施の予定があるのは4病院であった.

グラフ

病院管理導入で黒字経営に—富山県立中央病院

ページ範囲:P.377 - P.382

 玄関を入ると左へ廊下が続き,その中央の廊下から左右に第1,第2,第3,第5病棟,洗たく棟,給食棟,更には看護婦宿舎等が枝のように伸び,その幹に当たる中央廊下は全長100メートル以上にも及ぶかと思われる.まさしく横の動線の長い病院だ--これが,日本海に伸びる能登の付根,人口110万,三方を山に囲まれ多雪で知られる富山県で唯一の県立病院であり,昨年7月救命救急センター30床を開設し,文字通り中央病院となった富山県立中央病院の第一印象であった.
 この富山県立中央病院は,昭和26年ある民間工業会社の病院を県に移管し,その施設を利用した病床255床の総合病院として出発,その後,精神科,整形外科等々診療科の増設,増床に伴い改築を重ね,現在800床,18診療科,救命救急センターを併設する,一日平均外来患者数900〜1200人,年間取扱い患者数も県下第一位を占める,建築的には自然発生的パビリオン形式の病院となった.

戦友の面影に励まされて国立療養所神奈川病院院長 伊藤忠雄氏

著者: 横田曄

ページ範囲:P.384 - P.384

 伊藤君の人柄は,誠実で友情に厚く正義感の男,自分の手柄話や愚痴を言わず,すべてを価千金の微笑ですませてしまう男というのが友人間の定評である.
 昭和10年4月慶応義塾普通部から予科に進学.当時は今と違って情報は過少で,大学生というものは,良く運動もし,良く遊びもした.色白で貴公子のような彼は特別もてて我々をひがませたものだ.

設備機器総点検

管理ボックス

著者: 鈴木紫水香

ページ範囲:P.421 - P.421

 今までは患者のカルテ,X線資料,看護業務のためのカーデックスなどの収納が別々で,これらの資料を医師が使用している場合は看護婦は使用することができず,また看護婦が使用している場合は医師の使用が不可能になり,とかくトラブルが起こりがちであった,更に指示を受ける時点で,転記ミスを生じることもあった.これらの諸問題を解決するために,資料を一括収納し事務作業がスムーズに行われ,だれがみても作業行程が明確であるように,見える管理をしようと発案されたのが管理ボックスである.
 目標要件:1)医師の指示が事務や看護業務に直接反映できること,2)医師や看護婦の事務作業時間を削減して本来の業務に専念できる時間を増やすこと,3)見える管理が可能であること,4)帳票類を大幅に削減できること.

統計のページ

病院経営分析の実態・2—「病院経営分析調査」(全国公私病院連盟,昭54年6月)より

著者: 森福省一

ページ範囲:P.422 - P.423

医師の取り扱う患者数
 診療科別開設者別に医師1人1日当たり取り扱い患者数を表5に示した.また開設者の総数について,医師1人1日当たり取り扱い患者数を図3に示した.
 内科の医師は,1日に入院患者16.4人,外来患者19.6人,計36.0人の患者を扱っている.また,外科の医師は入院患者9.5人,外来患者12.3人,計21.8人の患者を取り扱っている.

医療の周辺 人間工学—病院建築への提言・1

安全・防災

著者: 古川俊之

ページ範囲:P.424 - P.425

はじめに
 病院は患者という守られるべき人を収容している.そのために安全,事故防止対策は,一般の建物よりはるかに強力なものでなければならない.その上,医療行為は患者になんらかの外的作用を加えたり,拘束したりすることがあり,その行為や期間の安全には特別の配慮が必要である.例えば手術台上で麻酔にかかっている場合,人工透析装置に血管がつながっている場合,あるいは高圧酸素室内で加療中の場合などを考えると,その理由は明らかであろう.
 そこでまず病院内で発生する可能性のある事故を列挙してみよう(表).このうち医療に関係のない事故は,病院外の健康人でも遭遇する可能性があるが,患者であり,病院内にいたという理由で,事故発生が増えたり,事故の被害が増すことがあるので注意せねばならない.身動きならない状態で地震や火災にあったら重大な被害につながることは当然予想されるからである.また慣れない建物の中でつまずいたり転んだりすることもあるし,移動中の人や資材と衝突することもあり得る.また高層部の病室から物を落として,他人や財物に損傷を及ぼすこともまれではない.次にこうしたことを念頭に置いて,建物の設計の側から考察を進めてみよう.

講座 入門・ME機器の正しい使い方・9

間接法でどうして血圧が測れるのか

著者: 小野哲章

ページ範囲:P.426 - P.427

 マンシェットと聴診器による間接血圧測定は,医師・看護婦が日常,脈拍診とともに,最もよく行う計測である.最近では,健康用具の一つとして(良し悪しは別にして),「簡易血圧計」は一般家庭にまで普及している.このように非常によく普及しているにもかかわらず「間接法でどうして血圧が測れるのか」という問いに,正確に答えられる人は少ない.また,ICUや手術室では,同一患者に,直接法と間接法の両者で血圧を測定することがあるが,両者の結果に差が生じ,どちらが本当の値であるのか判定に困ることが時に起こる.直接法にも,先月号で述べたような,種々の誤差要因が考えられるが,間接法にも,その原理をはっきり知らないことからくる操作ミス(器具の不備も含めて)による誤差がある.

実務のポイント 会計・経理

経理事務のチェックポイント(1)

著者: 山崎義男

ページ範囲:P.428 - P.429

会計帳簿組織と事務処理
1.現在の会計組織は病院の規模や特性に適しているか
1)帳簿組織や様式は簡易でありたい.しかしながら諸統計や財務分析あるいは諸報告などのために複雑になりがちなので,次の諸点についてチェックする.
①毎月とか隔月とか四半期あるいは年1回か2回作成する計算書などについて,毎日の記帳や集計の省略を図っているか

図書

資料の選択と発注

著者: 千住とも子

ページ範囲:P.430 - P.431

 図書室業務は利用者と情報を結ぶための仲介の機能としてある.それは資料の選択・収集から始まって資料の選択・収集に行き着くと言っても過言ではない.
 そこで,まず病院図書室を取り巻く資料の種類をつかみ,それから資料の選択・収集のための条件・方法を探ってみたいと思う.

医事

病棟事務の実際

著者: 佐々木尚子

ページ範囲:P.432 - P.433

 今日,医学の技術はめざましい進歩を遂げ,その結果,我々の平均寿命も70歳を越え,ひと昔前難病とされた疾病も完治をみるようになった.しかしながら,一日一日,著しく変動する社会において,新たな難病を抱え,また,昔ながらの難病に手をやいているのも事実である.このような社会背景の中で,医学(医療)に対して,社会のニード,患者のニードは変化し,増大している.更に,その内容も医学技術に対するものだけではなく,医療のあり方,つまりは,病院のあり方,病院職員のあり方にも及んでいる.
 そして,その中には今日各人の意識の中で高まってきている福祉に対する要求(医療福祉)が含まれていることも確かである.

現場訪問

医療法人青山会青木病院臨床心理士 溝口るり子さんに聞く

著者: 本誌編集室

ページ範囲:P.434 - P.435

 身体疾患の場合とちがって,精神疾患については,一義的に断定できるところが極めて少ない.したがって,治療者の対応の仕方も,一面的,即決的な方法では何の解決にもならないどころか,かえって害になるという.外部者から見ると,その多元性と不確定性の故に,精神疾患とその治療について,分かりにくいとも,ともすれば抽象的とさえ映りがちである.しかし,いったんその現場を垣間見ると,そのむずかしさ,問題の深刻さは,想像をはるかに超えるものがあるようだ.中でも臨床心理という部門は,専門の辞書で調べてみても,その定義は様々で漠然としており,分かりにくい.その仕事の内容も,かつて受けたことのある知能テストや心理テストのほかには,正直なところ具体的なイメージとして浮かんで来にくい.それは,同じ治療に携わっている医師,看護婦(士)たちからさえ,そう思われることがあるというくらいなので,あながち素人の無知のせいだけでもないようである.
 そこで今回は,都下の民間精神病院に臨床心理士として勤めて5年目の,溝口るり子さんをお訪ねして,率直な質問を試みた.

新病院建築・29

中央鉄道病院病棟(Ⅱ)—ユーザーの立場から

著者: 井祐弘

ページ範囲:P.437 - P.443

ユーザー側としての計画のまとめ方
 昭和45年に,第1期工事として,中央診療棟,外来診療棟が完成し,その後,予算の都合で,病棟部分の工事が,のびのびになっていたところ,昭和50年にいたり,再び,病棟建設の話が再燃し,当時としては,一応計画案がまとまっていたものを,この度見直しを行うことになった.ところが,その後の医療の進歩,基準法,消防法等の改正,それに加え,職場環境のレベルアップ等等,考えると全面的に計画案をやり直ししなければ,現在の近代病院としては追随出来ないものであることがわかり,今回,ゼロから出発することになった.第1期の工事の設計から病院建築にたずさわっていた筆者が,中央鉄道病院の医療職員の一員として,病院勤務となり,ユーザーつまり病院側,と設計担当の東京建築工事局のパイプ役として実施計画に入ったわけである.昭和51年4月,ICUを皮切りに精力的に各室のつめに入り,了解点に達した部分から本設計にかかるわけであるが,以下,順を追って,作業の進め方について述べる.今後の病院設計をされる方達の参考になれば幸である.

海外の医療

米国の医療社会事業

著者: 荒川義子

ページ範囲:P.444 - P.447

 1905年,リチャード・カボット博士はボストンのマサチュセッツ総合病院の外来部門に米国で最初のソーシャルサービス部を創設し,患者の治療に際して,疾病に影響を与えている家庭や社会環境の調査に当たらせた.これとほぼ同じ時期に,ニューヨークのベレビュー病院,バルティモアのジョンズ・ホプキンス病院,及びボストンのバークレー診療所でもソーシャルワーカーが導入された.1978年3月現在で,全米ソーシャルワーカー協会(以下,NASWと略)の会員数は75,000人を超えており,その約3分の1が医療の領域(メディカル・ソーシャルワーカーが16.1%,サイキアトリック・ソーシャルワーカーPSWが14.4%)で働いていると推定されている.
 米国のソーシャルワーカーは,近年大きな社会問題となってきているアルコール中毒,薬物嗜癖,人工妊娠中絶,児童虐待,家庭内暴力などによる患者,家族を扱わねばならず,病院だけではなく,地域社会の要請にも応じなければならなくなってきている.また,ソーシャルワーカーは,医学,看護,公衆衛生教育に参加して,ソーシャルサービスの重要性を示すとともに,医療内容の充実と向上を目指して努力してきている.

精神病院医療の展開 対談

児童精神病棟—その1・自閉症病棟の現状と課題

著者: 中根晃 ,   山崎晃資

ページ範囲:P.449 - P.456

 中根自閉症の治療が児童精神医学の中心的課題になって20年が過ぎたわけです.その岡治療の主流は心理療法的な接近がまず最初に試みられ,現在は子どもたちが学校や幼稚園できちんと教育を受けられるために,我々がどう援助するかという点に変化してきています.ですから,ともすると入院治療というのは忘れられがちですけれども,実際には入院治療は病院の大事な機能となっていると思います.

ほんねたてまえ

差額なき入院,付添なき看護/医療のシステム化を支えるもの

著者:

ページ範囲:P.457 - P.457

 この表題は誰にもうけることは確実である.厚生省は一昨年の2月の医療費改定で室料が約25%上がったのだから3人室以上は室料差額をとってはならない.また,個室の数も全病床の2割以内とする.これを守らないものは保険医療機関を取り消すという.
 国公立ではこれにほとんどの病院が従ったが,民間で高機能かつ都会地にある病院は,建築費・土地代が高いので,室料が2百円上がって千円になったくらいでこの通達を守るのは困難だという.都会の民間病院では室料差額が医業収益の10%以上,私立医科大学病院では30%以上でやっと病院経営をやっているのだという.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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