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文献詳細

雑誌文献

病院39巻5号

1980年05月発行

文献概要

医療の周辺 人間工学—病院建築への提言・1

安全・防災

著者: 古川俊之1

所属機関: 1東京大学医学部医用電子研究施設

ページ範囲:P.424 - P.425

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はじめに
 病院は患者という守られるべき人を収容している.そのために安全,事故防止対策は,一般の建物よりはるかに強力なものでなければならない.その上,医療行為は患者になんらかの外的作用を加えたり,拘束したりすることがあり,その行為や期間の安全には特別の配慮が必要である.例えば手術台上で麻酔にかかっている場合,人工透析装置に血管がつながっている場合,あるいは高圧酸素室内で加療中の場合などを考えると,その理由は明らかであろう.
 そこでまず病院内で発生する可能性のある事故を列挙してみよう(表).このうち医療に関係のない事故は,病院外の健康人でも遭遇する可能性があるが,患者であり,病院内にいたという理由で,事故発生が増えたり,事故の被害が増すことがあるので注意せねばならない.身動きならない状態で地震や火災にあったら重大な被害につながることは当然予想されるからである.また慣れない建物の中でつまずいたり転んだりすることもあるし,移動中の人や資材と衝突することもあり得る.また高層部の病室から物を落として,他人や財物に損傷を及ぼすこともまれではない.次にこうしたことを念頭に置いて,建物の設計の側から考察を進めてみよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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