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文献詳細

雑誌文献

病院39巻5号

1980年05月発行

文献概要

海外の医療

米国の医療社会事業

著者: 荒川義子1

所属機関: 1神戸女学院大学

ページ範囲:P.444 - P.447

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 1905年,リチャード・カボット博士はボストンのマサチュセッツ総合病院の外来部門に米国で最初のソーシャルサービス部を創設し,患者の治療に際して,疾病に影響を与えている家庭や社会環境の調査に当たらせた.これとほぼ同じ時期に,ニューヨークのベレビュー病院,バルティモアのジョンズ・ホプキンス病院,及びボストンのバークレー診療所でもソーシャルワーカーが導入された.1978年3月現在で,全米ソーシャルワーカー協会(以下,NASWと略)の会員数は75,000人を超えており,その約3分の1が医療の領域(メディカル・ソーシャルワーカーが16.1%,サイキアトリック・ソーシャルワーカーPSWが14.4%)で働いていると推定されている.
 米国のソーシャルワーカーは,近年大きな社会問題となってきているアルコール中毒,薬物嗜癖,人工妊娠中絶,児童虐待,家庭内暴力などによる患者,家族を扱わねばならず,病院だけではなく,地域社会の要請にも応じなければならなくなってきている.また,ソーシャルワーカーは,医学,看護,公衆衛生教育に参加して,ソーシャルサービスの重要性を示すとともに,医療内容の充実と向上を目指して努力してきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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