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文献詳細

雑誌文献

病院40巻10号

1981年10月発行

文献概要

病院職員のための医学知識

植物状態

著者: 福間誠之1

所属機関: 1京都第一赤十字病院脳神経外科

ページ範囲:P.866 - P.867

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植物状態とはどのような内容を指しますか.
 植物状態患者とは重篤な脳障害により話す,理解するといった人間としての高等機能を失い,また動く,自ら物を食べるなどの行動する動物的機能をも失い,ただ呼吸をし,口の中へ入れられたものは飲み込むが,大小便は失禁状態でいわゆる植物機能(自律神経)のみが残された状態の患者を言います.
 重篤な脳損傷を受けた場合,例えば脳挫傷や,脳出血により脳機能が広範に障害を受けると外界からの刺激に対して全く反応を示さなくなり,自動運動も消失して昏睡状態になります.しかしながら昏睡状態はせいぜい2〜3週間ぐらいで,次第に意識が回復してくるか,あるいはそれまでに死亡するか,あるいは刺激に対して目を開くようにはなるが外界との意志の疎通ができないいわゆる植物状態(覚醒昏睡)になります.この状態が3か月以上続くと持続性植物状態になる.植物状態患者が自己の意志表示ができるようになると,いちおう植物状態から回復したと考えられますが,回復の程度にも完全回復から重度障害回復まで種種の段階があります.これらの関係は図のように示すことができます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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