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特集 病院増改築の実例
工事開始から完了まで11年—小松島赤十字病院
著者: 大倉市三1
所属機関: 1小松島赤十字病院
ページ範囲:P.134 - P.136
文献購入ページに移動当院は昭和25年4月当時の小松島町立(現小松島市)診療所を日赤に移管を受け現在地に開設された.昨年4月をもって開設30周年となり,戦後新設された数少ない赤十字病院の一つである.開設時は診療科5科,病床数100床程度であったが,患者数の増加に伴い施設もこれに呼応して順次増築を重ねてきた.
昭和42年には診療科13科,病床数416床,病院建物延面積7,061m2の総合病院へと発展した.しかし建物は,木造モルタル造スレート葺であり建物の下部構造が腐蝕老朽著しく,これの保全,管理に毎年多額の経費を要し,また内部構造的にも近代的治療機械器具等を整備するには耐用度の点から不可能に近い状態であった.徳島県は,昭和39年に新産業都市に指定され当院の診療圏である小松島,阿南市には相当の企業が進出し,人口が増加した.これに伴い必然的に患者数の増加が見込まれる一方,既存の設備では医療の高度化,近代化に立遅れ地域中核病院としての機能が果たせなくなると考え,施設の全面改築に取り組んだ.昭和43年12月に第1期,48年11月に第2期,52年3月に看護専門学校,54年12月に第3期工事を完了した.これによって病院ならびに関連施設の改築不燃化が計られた.この間約11年を要して施設の増改築が完了したことになる.昭和55年12月現在,病院の概要は表1のとおりである.
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