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随想
早春
著者: 鈴木辰四郎1
所属機関: 1長野赤十字病院
ページ範囲:P.235 - P.235
文献購入ページに移動 北信濃の春は遅いと言われているが,春の兆しは早くから現れはじめている.
12月22日は冬至であるが,この日は一年中でいちばん短い日である.冬至を境にして昼間が伸びてくるが,昔の人はそのことを畳の目がひとつずつ伸びてゆくと表現した.極めて徐々にではあるが昼間の伸びてゆくことはわかる.しばらくの間そのことは気付かれないほどであるが,新しい年が明ける頃になるとだれの目にもわかるほどになる.今までは南の空に低かった太陽も,いつしか頭上高く明るさを増して,物の象(かたち)も一段と鮮明に映るようになる.厳しい寒気の中にも春の気配が,そこはかとなく感ぜられるのである.
12月22日は冬至であるが,この日は一年中でいちばん短い日である.冬至を境にして昼間が伸びてくるが,昔の人はそのことを畳の目がひとつずつ伸びてゆくと表現した.極めて徐々にではあるが昼間の伸びてゆくことはわかる.しばらくの間そのことは気付かれないほどであるが,新しい年が明ける頃になるとだれの目にもわかるほどになる.今までは南の空に低かった太陽も,いつしか頭上高く明るさを増して,物の象(かたち)も一段と鮮明に映るようになる.厳しい寒気の中にも春の気配が,そこはかとなく感ぜられるのである.
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