病院40巻4号

1981年04月発行

小特集 肝炎　その院内感染防止対策

院内各部門の対策のポイント

看護部門における予防対策

著者： 高原澄枝¹

所属機関： ¹都立大久保病院腎不全センター

ページ範囲：P.300 - P.302

文献概要

　日本人には2〜3％のHBs抗原陽性者がいることが明らかにされている．ここではHBs抗原陽性者の対応に焦点をあてて述べるが，日夜不特定多数の患者を看護する者は，常に肝炎の臨床を理解することはもとより，有効な予防の手だてを実行する義務がある．HBウイルス感染事故のほとんどが医療従事者の手指を介して起こっているので，自らを防御しながら感染経路を断ち，患者指導により，より広く社会的にも予防の効果を得るように努めるべきである．看護婦は交代勤務により専門分野が変わることが多いが，感染予防の基本は同じであるから，各看護単位の特殊性をわきまえ，予防法を実行するべきである．