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病院精神医療の展開
長期在院分裂病者の社会復帰
著者: 広田伊蘇夫1
所属機関: 1三枚橋病院
ページ範囲:P.523 - P.527
文献購入ページに移動 ここに記す内容は,「精神病院長期入院者の社会復帰」をテーマとする調査研究に基づいている.この研究のねらいは,次のごときものであった.まず,平均在院日数からすると,我が国の大部分の精神病院は多くの長期在院者を収容していると推定されるが,その実態は必ずしも明確ではない.そしてまた,この長期在院者に対して,どのような治療的アプローチが行われているかも詳らかではない.そこで,ひとまず自治体立精神病院を対象として,その実態を分析し,精神病院における社会復帰活動の方向を再検討しようとするものであった.このために,厚生省の助成を得て,1977年から3年問にわたり,まず39の自治体立精神病院の職員・患者構成を調査し,次いで,これらの施設での長期在院分裂病者に対する社会復帰活動の概略的実状を調べ,最後に5施設を対象として,精細な症例検討をも含めた社会復帰活動の現状を検討したものである.この間に集積されたデータはかなり大部なものとなっている.ここでは,本調査研究にかかわったひとりとして,そのポイントを記し,精神病者の社会復帰にまつわる今後の課題に触れてみたい.
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