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特集 設備投資と技術革新 紹介
技術革新の効果と限界Technology in Hospitals
著者: B.RUSELL 紀伊國献三1
所属機関: 1筑波大学社会医学系
ページ範囲:P.587 - P.589
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1960年代以来,医療技術(technology)の進歩が疾病の多くを克服できるのではないかとの希望が生まれ,多くの医療技術が病院に集中的に導入されてきた.しかし,これが先進諸国において医療費の急激な上昇をもたらしたことも事実である.この技術革新の問題に医療政策の見地から検討を加えたものとして1979年にBrook-ings研究所から出されたTechnology in Hospitalsがある."医学の進歩とその伝播"と副題されたこの本は,医療費の上昇とそれについての対応策について幅の広い検討を行った本として米国で非常な注目を浴びているものである.著者はアメリカの病院医療費を分析し,1950年から1976年の間に病院医療費が実に11倍に上昇したことを挙げ,その背景には医療担当者は医療にとって必要なものは費用を考慮しなくても行うべきであるという哲学に支えられたことを指摘し,その例としてICU,呼吸療法,放射性同位元素による診断,脳波,コバルト治療,心臓手術,人工透析の7つの新しい医療技術についてのCase-studyを行っている.
1960年代以来,医療技術(technology)の進歩が疾病の多くを克服できるのではないかとの希望が生まれ,多くの医療技術が病院に集中的に導入されてきた.しかし,これが先進諸国において医療費の急激な上昇をもたらしたことも事実である.この技術革新の問題に医療政策の見地から検討を加えたものとして1979年にBrook-ings研究所から出されたTechnology in Hospitalsがある."医学の進歩とその伝播"と副題されたこの本は,医療費の上昇とそれについての対応策について幅の広い検討を行った本として米国で非常な注目を浴びているものである.著者はアメリカの病院医療費を分析し,1950年から1976年の間に病院医療費が実に11倍に上昇したことを挙げ,その背景には医療担当者は医療にとって必要なものは費用を考慮しなくても行うべきであるという哲学に支えられたことを指摘し,その例としてICU,呼吸療法,放射性同位元素による診断,脳波,コバルト治療,心臓手術,人工透析の7つの新しい医療技術についてのCase-studyを行っている.
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