文献詳細
文献概要
随想=私の出会った患者
アルコール症患者とのつきあい
著者: 上野幸久1
所属機関: 1健康保険川崎中央病院
ページ範囲:P.63 - P.63
文献購入ページに移動克明につけた彼の飲酒日記を半ばあきれ,半ば感心しながら眺めていたが,なぜ中瓶を8本も飲んでいるか?大瓶3本か4本のほうが手間がかからないし安いのでは……と問うと,イヤその店には中瓶しか置いてなくてと言う.また大瓶6本というのもあるので,3本くらいでも腹がふくれるのによくまたそんなにと言うと,いや3時ころから5〜6時間かけて飲みましたのでねと答える.一晩に飲むアルコール量としては相当なものだが,小生の言いつけを守って中2日ないし3日おいて飲んでいるゆえか,半年前の初診時に比べて肝障害が程度はむしろ軽く,GOT,GPTなどは軽度の異常にとどまり,γGTPの上昇が目立つ程度で進行性は認められない.
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