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特集 看護管理者教育の現状と課題
イギリスにおける看護管理者教育
著者: 季羽倭文子1
所属機関: 1日本看護協会
ページ範囲:P.395 - P.398
文献購入ページに移動イギリスにおける看護管理者の教育は,システムの上でも,内容的にも,かなり充実しているが,その背景には,いくつかの要因があるように思われる.そのひとつは,イギリス人が現在でも社会階級(social class)を重視する考え方を持っていることに関連しているのではないかと思われる.すなわち看護管理者としてのポストにつくことは,スタッフとは異なる視線が注がれることを意味している.労働者階層(working class)ではない看護管理職は,1スタッフよりは上のsocial classに位置づけられるので,自他ともにポストにふさわしい役割期待を意識せざるを得ないのである.
次に,イギリスの医療制度(National Health Service)の特色も,看護管理者教育を強化することに影響していることを,考えておきたい.図1のように,日本の主任看護婦に相当するレベルから,一定の地域全体を管理する看護管理者(DNO)まで,5段階のランクがある.ランクが上がるごとに責任が増すという考えのもとに,サラリーも,責任とともに上がっていくのである.しかも看護管理者の任命は,年功序列ではなく,上級看護管理職ほど,公募して選択しなければならないことになっている.公募では,一定の資格が求められるので,どのような教育的準備とキャリアを持っているかが問題にされる.
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