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人
綿密な思慮と判断力で 浦和市立病院院長 柳下徳雄氏
著者: 嶋井和世1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部
ページ範囲:P.568 - P.568
文献購入ページに移動柳下徳雄君は臨床家として伝染病を専攻して今日を築いた.私自身は母校に残って基礎医学を専攻したので,仕事の上での接触はあまりなかったが,現代のように伝染病がはやらなくなった時代に彼の仕事もあがったりではないのかと危惧したのは素人の浅はかさで「現在の感染症の領域ならおれにまかせておけ」といった見識が感じられるのは彼の一貫した学問への情熱と信念のしからしむるところであろう.柳下君の信念的な行動は緻密に,また周到に思いをめぐらしての判断がその基盤となっている.だから彼の持ち前の積極性もそこから出てくるのだと私は考えている.先般ブラジル政府の招聘で同国の感染症対策の指導にゆき勲章を受けたと聞く.柳下君の学問的評価を物語る一証左と言えよう.
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