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文献詳細

雑誌文献

病院41巻9号

1982年09月発行

文献概要

病院職員のための医学知識

プロスタグランディン

著者: 鹿取信1

所属機関: 1北里大学医学部薬理学

ページ範囲:P.790 - P.791

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プロスタヴランディンとはどんな物質で,いつどのように発見されましたか.
 私どもが食事としてとった脂肪は,脂肪酸に消化され吸収されてエネルギーとして貯えられるほか,一部はほとんどの細胞の膜の成分になります.この不飽和脂肪酸から必要に応じて極めて重要な物質が作られ,細胞の働きを調節しています.これがプロスタグランディン(以下PG)です.このPGがいつどのようにして発見されたかと言いますと,19世紀の始めに精液が子宮を収縮あるいは弛緩させることを産婦人科医が発見していましたが,1935年ごろスウエーデンのvon Euler教授がこの物質が脂肪酸の一種であることを突き止め,前立腺(prostategland)由来であると思い,プロスタグランディンという名前をつけました.実は後で精嚢由来であることが分かりましたが,名前はこのままつけられています.
 その後1960年になってPGE,PGFαの構造が明らかとなり,それぞれの不飽和脂肪酸から作られることも分かりました.以後毎年のように新しいPGの仲間が増え続けています.私どもの体にはアラキドン酸が多いので,これから作られるPGの仲間がよく調べられています.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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