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小特集 医用機器の安全性・信頼性
医療の中で医用機器は今後どうあるべきか
著者: 早川弘一1
所属機関: 1日本医科大学第一内科学教室
ページ範囲:P.879 - P.880
文献購入ページに移動1983年の現在の診療体制は,まさに医用機器に取りかこまれていると言っても過言ではない.その実例として,頻回に胸痛を訴え狭心症が疑われるある患者が大学病院を訪れた場合を取り上げ,その診療経過を追跡し,いかに医用機器による検査や治療が密かをたどってみよう.
図1のごとく,患者が外来を訪れると,まず初診室で問診され,型通りの診察を受ける.次に心臓病が疑われるわけだから,心電図を記録し,心陰影の状態や心拡大の有無を知るため胸部X線写真を撮影する.すなわち,心電図室とレントゲン室に行かされる.これらが終了すると患者は再び医師のところへ戻り,そのデータを判読してもらって,必要があれば,運動負荷室,心エコー図室,血液検査室などで更に詳しい検査を受ける.医師は以上のデータを総合して入院と判断されれば患者は病室へ入る.病室では常時監視されながら更にいくつかの補充的検査を受け,例えば冠動脈造影やRIアンジオをやったほうがよいと指示される.冠動脈造影にて所見があれば,根治的治療としての冠バイパス術が行われる.
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