文献詳細
老人医療と福祉の課題
文献概要
老人ホームには約100年の歴史がある.今から90年前,それまでの混合施設から老人だけの専門施設として養老院という名称で,老人福祉の分化が始まったのである.
その対象者は当時の家族制度からはじき出された老人や孤独な老人が中心であり,公の援助も少なく設置者の慈善行為として,衣・食・住という基本的なものに重きをおいて維持されておりながらも,処遇の中身は病・死の問題に深い注意が払われていたのである.すなわち看護婦の常勤,嘱託医による往診,同僚による介助,そして宗教が日常生活の中にあり,いうならば安心立命が大きな柱となっていたのである.
その対象者は当時の家族制度からはじき出された老人や孤独な老人が中心であり,公の援助も少なく設置者の慈善行為として,衣・食・住という基本的なものに重きをおいて維持されておりながらも,処遇の中身は病・死の問題に深い注意が払われていたのである.すなわち看護婦の常勤,嘱託医による往診,同僚による介助,そして宗教が日常生活の中にあり,いうならば安心立命が大きな柱となっていたのである.
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