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文献詳細

雑誌文献

病院42巻2号

1983年02月発行

文献概要

病院職員の基礎知識 診療科の知識

外科

著者: 相馬智1

所属機関: 1杏林大学第一外科

ページ範囲:P.152 - P.152

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外科の歴史
 外から身体の中をうかがうのに内科,中を開いて臓器を処理するのに外科とは,これいかに,古くからいいならされた謎なぞである.さて,外科とは何を扱う診療科なのか,素人にはメスで身体の部分を切りさいなむ科という,恐ろしいイメージが先にわくのではなかろうか.
 歴史的にみれば,内科に続いて外科,というよりは助産術科が医療としての地位を得ていた.史実の上ではヒポクラテスの時代から記載はあるが,実際には,いつの頃からか長い間の経験によって,医学教育の全くない理髪師だとか,金創医といわれる人が,膿瘍の切開,脱臼や骨折の処置,抜歯あるいは四肢の切断術をやっていた.今日の床屋の看板の青赤白の模様は,その名残を残すものといわれている.この時代では,医療は主として僧侶の管轄下にあり,教会での流血を忌むということから外科手術は医療から遠ざけられていた.16世紀のルネッサンス時代になると人体解剖学が発達し,創傷治癒への関心や血管結紮による止血法が考案され,外科の立場は著しく引き上げられた.しかし内科から見れば,外科の立場はまだまだ低かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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