病院42巻4号

1983年04月発行

ライフプランニングセンター冬期大学セミナーから

医療と医学—日本の医学教育の方向の転換

著者： 日野原重明¹

所属機関： ¹聖路加看護大学

ページ範囲：P.320 - P.328

　本日は，"日本の医学教育の方向の転換"というテーマで，その転換がなぜ必要か，転換の必要性とその方法論について，多少でも示唆できることを念願しております．ただその前に医療とは，医学とは何であるかということを考えることなしにはこの問題にアプローチすることはできないと思います．
　そこで，まず，医療とは何であるかを考えたいわけです．ところで医療と医学という言葉の外国語を探しますと，英訳ではどういうことになるか．「医療」は，practice of art ofmedicineとでも表現すれば，本来の意味に一致すると思います．つまりartはカッコでくくるにしても，practiccという言葉がどうしても必要です．