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文献詳細

雑誌文献

病院42巻5号

1983年05月発行

文献概要

病院精神医療の展開

精神障害者の入院をめぐる法規定—諸外国の動向

著者: 加藤正明12

所属機関: 1東京医科大学 2前国立精神衛生研究所

ページ範囲:P.416 - P.420

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 精神病院への入院について,当然問題になるのは患者の自由の拘束に伴う人権の問題である.欧米諸国や発展途上国で,精神障害者がどのように人権を守られているかという課題は,特にここ10年余にわたって,精神医療の重要な課題として取り上げられてきた.具体的には,拘束入院involuntary admissionと自由入院volun-tary admissionの定義づけであり,その決定がどこで行われ,だれが責任を持つのかということである.この場合,患者の権利と市民の権利とが対立することも少なくない.つまり,拘束入院,その解除と退院,緊急入院,観察入院,部分入院,自由入院などの規定は国によって大きな違いがあり,簡単に比較できない.このことはWHOのHarding,T.W.なども国際比較で述べていることである.
 以下,精神障害者の入院規定をめぐる諸問題の国際比較について,WHOの「精神衛生と法律」という報告書を中心に,各国の精神衛生法について概観し1),日本の法律との比較を行ってみよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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