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雑誌目次

雑誌文献

病院42巻6号

1983年06月発行

雑誌目次

グラフ

住民に信頼され愛される病院づくり—東国東地域広域国保総合病院

ページ範囲:P.469 - P.474

 東国東地域広域国保総合病院は大分県の国東半島の東部に位置する国見町,国東町,武蔵町,安岐町及び離島の姫島村の4町1村より成る東国東郡地域広域市町村圏事務組合立の病院である.地域の人口は約4万5千人で,ここ数年はほぼ停滞しているか,昭和35年の約6万3千人から激減してきた典型的な過疎地域である.
 国東半島のほぼ中央には海抜721mの両子山があり,ここから山岳地帯が海岸線にまで放射状に走っている.集落はこの山あいと海岸のわずかな平坦部に散在している.海岸沿いを走る国道213号線が4町を結んでいるが,全般的に足の便は悪い.

ほんものの人 千葉大学看護学部教授 吉武香代子さん

著者: 紀伊國献三

ページ範囲:P.476 - P.476

 昭和36年病院管理研究所が研究所として発足して以来,優れた看護管理の研究者を育てて来たが,千葉大看護学部小児看護学の吉武香代子教授もその一人であり,同窓の現聖路加看護大学荒井蝶子教授の後任として勤務された.少人数の研究スタッフのため講義,研究,病院相談など各地の病院にご一緒にお邪魔した機会も多かったが,接した人々に与えた強烈な印象は,「ほんもの」の人というものであった.
 看護管理を語る人は多い.看護管理を研究する人もようやく増えつつある.看護管理の実践者には尊敬できる人が数多く輩出している.しかし三者のどれをとっても,人に優れた業績を残すことのできる人は多くはない.古武さんは,明日から総婦長のできる人であり,最も学生に感動的授業ができ,看護の向上に直接役に立つ研究を実行する人である.デモシカ先生とは違うのである.臨床医学の教授にも,病院管理の教授にも実は同じ要素が求められているのではあるまいか.

対談

病院・コミュニティ・患者の権利とバイオエシックス

著者: 木村利人 ,   若月俊一

ページ範囲:P.477 - P.484

■民衆にとっての医療
 木村 今日の最初のトピックスとして,日本の医療の展開の過程で,人間としての患者の尊さ,というような意識はどのように展開されているかということを,お伺いしたいと思います.
 若月 そうですね.患者の人権を守ることについては大ざっぱに言いますと今まではヒポクラテスの箴言みたいなものが,私どものよりどころだったはずです.非常に古くさいもので,今日のような科学の進歩した時代にマッチしているとは到底言えませんが,これをいわば医者のモラルとして,患者の人権を守ってきたということではないでしょうか.

小特集 病院でコンピュータをどう活用するか

コンピュータ利用の現況と展望

著者: 三宅浩之

ページ範囲:P.485 - P.489

歴史的な事柄■
 日本の病院におけるコンピュータ利用の歴史は,1960年ころにまでさかのぼって考えることができる.
 昭和30年ころから病院における業務の複雑多様化が急速となり,これに対応して,業務管理,合理化の動きとともに病院内の業務の数値的統計観察研究が進んできた.このころ,一般社会においても企業運営管理の合理化を目標としてManagement Information System (M.I.S.)が検討され,そのための有力な武器としてコンピュータの利用が検討され始めていた.

コンピュータ活用体制への提案

著者: 西山孝之

ページ範囲:P.490 - P.492

コンピュータにおけるソフトウエア■
 コンピュータシステムは,ハードウエアとソフトウェアの二つより構成されていることは,コンピュータの入門書の最初に書かれていることで改めて申し上げることでもないでしょう.しかし,入門書のソフトウエアの説明では2進法とかバイトとか,0や1の数字の羅列が現れるのにうんざりし,その先へ進まないのではないでしょうか.また,最近はパーソナルコンピュータなど個人で使えるコンピュータも普及し,ソフトウエアとか,プログラムの言葉が大変身近に聞こえるようになりましたが,その真実の姿はよく理解されていないのではないでしょうか.
 「コンピュータ活用体制への提案」には,ソフトウエアの技術的な中身ではなく,その性格や大きさを認識することが必要と思います.コンピュータの活用とはすなわち,ソフトウエア(具体的な「もの」としてはプログラムとも言います)をいかに開発し,これをいかに活用し維持していくかに外ならないからです.ジェット機を利用するのにジェット機の原理を知る必要はなく,他の輸送機関との長所,短所を比べて利用の有無を決めるように,コンピュータの性格を大局的に眺め,利用の仕方を判断して下さい.

業務の効率化に対するコンピュータシステムの導入

著者: 岡田行雄

ページ範囲:P.493 - P.495

 「よい医療」,「よい経営」を目指して病院等医療機関へのコンピュータ導入はここ数年急速に進み,利用台数は7,000台を超え,利用施設数は3,000以上と推定されている.その利用状況を端的に表現すると,当面病院で最も課題となっている窓口会計業務,レセプト作成業務に主としてミニコンやマイコンが使われて,業務の改善が図られかなりの成果を上げていると言える.これはコンピュータを導入した病院がいずれも更に利用範囲を拡大したいとし,またますます利用病院が増加しているという日本病院会の調査でも明らかである.
 しかし,この急速な利用の伸びとともに種々の課題も出ており,更に効果を上げるための多くの努力が続けられているのも現実である.それにはコンピュータに対する病院側の考え方も一因をなしている.すなわちコンピュータをME機器などの物を購入するのと同じレベルで考え,またコンピュータはなんでもできるという世評の上に立って,①安いこと,②なんでもできること,③いつでも自由に使えること,の3点を条件としてメーカや機種を選ぶところにコンピュータ利用の大きな課題を投げかけている.

パーソナルコンピュータ利用の可能性

著者: 岡本克郎

ページ範囲:P.496 - P.499

 パソコン(パーソナルコンピュータの略)と呼ばれるコンピュータが,当初のゲームなどにみられるホビー的要素から,最近はOA (オフィスオートメーション)など実務分野にまで普及しはじめているが,医療の各分野においても,その例に漏れずパソコン導入の機運が高まりつつある.
 その理由として,従来,大型コンピュータ,ミニコンピュータなどで行われていた業務が,パソコンでも肩代わり可能となり,更にコスト面,あるいは利用しやすさの面では大きく優位に立つため,パソコンへリプレースするか,新規導入に踏みきらせたり,あるいは従来,手作業その他で行われていた繁雑な作業を,コンピュータ化の方向で見直すきっかけとなったことが大きな要因である.

地域病院で小型コンピュータをどう活用するか

著者: 浜六郎

ページ範囲:P.500 - P.502

 阪南中央病院は,同和地区住民や支援者の強い要望と運動に応え,大阪府と松原市の共同出資により1973年10月に設立された公的病院(財団法人)である。現在,入院157床,外来患者数は1日600〜800人に達する地域の総合病院である.開院以来9年半を経過したが,この間に,当院を受診し登録された患者数は約9万人に達し,このうち約6万人が松原市民で,これは松原市人口の約4割に相当する.当院利用者の約15%が同和地区住民,85%は一般住民である.

大規模病院でコンピュータをどう活用するか

著者: 横山豊

ページ範囲:P.503 - P.504

 病院を規模別に分類する場合,20〜100床を小病院,100〜300床を中規模病院,300床以上を大病院と分類するのが一般的のようである.したがって,ここでは300床以上の病院を対象としたコンピュータ活用について話を進めて行きたい.
 このクラスの病院では,仮に総収入の2%程度をコンピュータの費用に当てるならば,いわゆるオフィスコンピュータではなく,汎用のコンピュータが使用でき,電算室と,その専任の要員をかかえてコンピュータの運用ができる基盤を持った病院ということができよう.300床以上と言っても規模によって導入できるコンピュータの大きさも異なるが,基本的には,汎用コンピュータの持つ本格的なデータベース機能,ソフトウエア開発ツール,エンドユーザ言語,インテリジェント端末や,他のサブシステムとの接続による分散処理などの多彩な機能を生かして,各種の分野で活用することが可能である.このような汎用コンピュータを中心としたシステム化の分野は,極めて多岐にわたるが,これをノンメディカル,パラメディカル,メディカルという視点から分類した例を図1に示す.

東京慈恵会医科大学におけるコンピュータ活用の将来構想

著者: 石井仲庸

ページ範囲:P.505 - P.507

 コンピュータの利用価値を医療の立場から見れば,第1には医療研究用があり,第2に臨床データの保管検索,そして第3に,医療費計算他事務関係があると言える1),しかしながら私学の立場から,本学におけるコンピュータ利用は「経営基盤の確立の上に立って行うこと」を基本方針とし,直接経済的効果が得られる医療事務のEDPS化を設計し先駆的に実現した.
 以後,順次EDPS化の範囲を拡大し,多くの経済的効果をもたらし,前述の基本方針を堅持している.

病院精神医療の展開 講演と討論

"良い精神病院"をめぐって・1

著者: 林宗義 ,   加藤正明 ,   松本胖 ,   式場聡 ,   目黒克己 ,   佐藤壱三 ,   吉松和哉 ,   鈴木淳 ,   井上晴雄 ,   菅又淳 ,   島田一男 ,   仙波恒雄 ,   浅井邦彦

ページ範囲:P.508 - P.512

 地域における精神医療を模索して開院された千葉県の医療法人静和会浅井病院(浅井利勇院長)は昨年35周年を迎え,11月23日にその記念式典を行った.(参加者600名)その際,記念式典の一環として,ブリティシュコロンビア大学の林宗義教授(世界精神衛生連盟名誉総裁)を講師に招き,「講演と討論」を企画した(出席者は精神医療関係者など約150名).本稿はその「講演と討論」をまとめたもので,6月号及び7月号に分載する.

講座 「修正病院会計準則」について・3

一般原則について

著者: 針谷達志

ページ範囲:P.514 - P.515

 一般原則は損益計算書原則と貸借対照表原則に共通する基本的前提または指針としての役割をもっている.病院会計準則修正案では,企業会計原則にならい次の7つの原則を示している.
1.真実性の原則2.正規の簿記の原則3.資本取引と損益取引区分の原則4.明瞭性の原則5.継続性の原則6.保守主義の原則7.単一性の原則

病院職員の基礎知識 診療科の知識

皮膚科

著者: 橋本謙

ページ範囲:P.516 - P.516

 皮膚科は皮膚とこれにつづく粘膜(口腔,外陰部)の病変を診断・治療し,更に予防を講ずる診療科でありますが,皮膚科学は正常皮膚の生物学的研究や病的皮膚の発生病理,治療,その他の実験的研究を行う医学の1分科であります.

医療制度の知識

我が国の医療保険制度の概要

著者: 藤崎清道 ,   北川定謙 ,   土居真 ,   矢野周作

ページ範囲:P.517 - P.517

1.医療保険の構図
 医療保険を構成する主体は図に示す①〜③です.被保険者はあらかじめ保険者に保険金を支払い(a),保険者はこのお金を基金として医療給付をはじめとした保険事業(医療給付の他には,傷病手当金や出産手当金等の現金給付,健康診断の実施や保健施設の建設等があります)を行います.被保険者が病気や事故で保険医療機関に受診すると(b),保険医療機関は保険証により患者の被保険者としての身分を確認して診療し(b'),医療費の請求を保険者に対して行います(c).保険者はこの請求に基づいて保険医療機関に医療費を支払います(c').

ケーススタディ・人の管理

協調性に欠け,チームワークを乱すきまじめなナース

ページ範囲:P.518 - P.519

〔事例〕
 当病棟は産婦人科と小児の混合病棟である.病棟の特色としては患者の入退院が著しく,ベッドの回転も激しく,また幼児が多くチームワークを強く要求される部署である.Aナースは卒後4年目であるが,昨年の3月ごろより,Aナースの性格が徐々に変化し始めて来た.Aが勤務していると緊張感が漂ってよいのだが,スタッフの表情が暗くなって来ている.
 Aの勤務していない時には,業務は協力的でスムーズに運び,活気にあふれ,スタッフの表情がとても明るい.またどんなに多忙であっても,お互いにかばい合って仕事を行っている.

事務長のページ・病院の運営管理

医療法人病院運営管理の着眼点

著者: 西野敏治

ページ範囲:P.520 - P.521

当法人の概要
 当院は昭和36年8月1日,現理事長の個人病院としてスタートした.翌37年8月1日医療法人社団認可,許可ベッド280床,総合病院理事8名,監事2名,医師15名,その他職員200名.

統計のページ

病院経営収支と経営諸指標・1—主として「病院運営実態分析調査」(57年6月)の結果より

著者: 森福省一

ページ範囲:P.522 - P.523

病院の経営収支状況
1.黒字病院・赤字病院の割合の年次推移
 全国公私病院連盟が昭和57年6月から日本病院会と合同して調査している「病院経営実態調査」の報告に基づいて,黒字・赤字病院の占める割合の年次推移を示すと,表1及び図1のとおりである.
 黒字・赤字の別は,支払利息などの医業外収支を含めた総収益及び総費用によったものである.ただし,負担金及び補助金などは除外している.また,収支同額の場合は黒字としてある.

税務QアンドA

医療法人の役員退職金

著者: 森久雄

ページ範囲:P.524 - P.524

 問 当病院は,社団の医療法人ですが,理事長(院長兼務)が老齢となったので,長男の副院長にその地位を譲り,退任したい希望を持っています.その際,退職給与金を支給してもらいたいと希望しています.
 ついては,病院の銀行借入金もかなりあり,病院敷地も理事長個人のものを賃借していますので,非常勤の理事として残留していただく予定です.

インタビュー

東京都立駒込病院放射線科トランスクライバー 内藤勉さん

著者: 本誌編集室

ページ範囲:P.525 - P.525

 欧米ではごく当たり前のタイピストをつけての診断レポート作り,すなおちトランスクリプション業務を日本の医療の中に普及させることを目的とした日本医用トランスクライバー協会が昨年,病院で働くトランスクライバーの手によって発足した.会長菅谷和代さん(聖路加国際病院).正会員35名.
 内藤勉さんは,都立駒込病院で働くトランスクライバーで,当協会の正会員中唯一の男性である.目が不自由(両眼0.01)というハンディを負いながらも病院側の装置の改良などのバックアップを受けて人一倍の働きをしておられる.現在,当院で働くトランスクライバーは2人.一人一日約50枚の診断レポートを作成している.

定点観測

—西表島から—医師不足と予算不足

著者: 松本強

ページ範囲:P.526 - P.526

 離島県である沖縄には39の有人島があるが,医療施設・医師数など全国平均の約60%しかない現状では,離島の医療は更に困難を極めている.当県では採算の取りにくい救急医療,へき地・離島医療部門を県立の病院や診療所が担当しており,県は膨大な赤字を抱えている.現在19か所の県立診療所が開設されているが,日本人医師5名(うち県出身者3名),外国人医師(台湾・韓国)6名,残り8名は「医介輔」と称する人々である.それら診療所に割り当てられた年間の医療機器予算がわずかに550万円(!)……お寒い限りである.
 私がイリオモテヤマネコでおなじみの西表島の診療所に赴任して1年が過ぎようとしている.本島の那覇市よりジェット機で50分,石垣島着,快速船に乗り換えて小1時間,西表島である。石垣島の沖に散在する大小七つの島々よりなるのが竹富町(人口約3,300人)で,西表島はその中でも最大の島である.県内でも沖縄本島に次ぐ面積を有するこの島の人口は約1,500人,90%は山岳地帯であり,島民は海外線に沿って点在する部落で生活している.ご多分にもれず老人・子どもが多く,それでも最近はUターン組,また他県より移り住んだ若い人が目につく.

—利尻島から—信頼を得る活動に向けて

著者: 北守茂

ページ範囲:P.527 - P.527

 利尻島は,日本の北端に浮かぶ周囲約50km,人口約1万2千人の離島である.行政的には,利尻町,東利尻町の両町で面積,人口をほぼ二分した格好となっている.利尻礼文サロベツ国立公園の一部に指定され,夏の間は観光のために島を訪れる人が多く,稚内との間の定期航路も日に3便を数える.しかし,冬の厳しい気象条件は1日1回の定期便をも数日の間連続して欠航させてしまうことも稀ではない.産業としてはウニ,コンブ漁を主体とした純漁業で,漁期を過ぎた10月ころからは利尻町だけからも300人以上の人々が出稼ぎのために島を離れてゆく.
 現在,島内には3か所の医療機関(2病院,1診療所)があり,計4名の医師が島民の日常診療に当たっている.他に大学病院からの出張医師が月に1度3日間,産婦人科の外来診療を担当されている.私は自治医科大学を卒業した後,北海道の地域医療対策の一環として,昨年の2月から当地へ内科医として赴任している.当初,隣町にある道立病院の院長先生のところへご挨拶に伺った際に,「内科,外科ということではいけない.病院へ来た患者さんをいかに責任をもって診てあげるかということが大切だ.」と言われたことが印象深かった.

新 病院建築・66

香川県立中央病院の増改築

著者: 小栗英男

ページ範囲:P.529 - P.533

はじめに
 香川県立中央病院の計画は昭和42年に竣工した保健衛生センターに始まり,次いで診療棟,そして昭和46年に竣工した病棟でこの施設の一応の完成をみたのである.その後10年を経て今回の大幅な増改築が行われた.
 この計画の発端は医科大学設置に伴う研修病院として施設の充実を目指したものであるが,この10年間の診療機能の変化,加えて既存施設の防災設備も法令の改正に対応し切れない状態になっており,この機会にそれらも含めて総合的な整備が検討された.

老人医療と福祉の課題

在宅サービスの現状と課題

著者: 鎌田ケイ子

ページ範囲:P.534 - P.538

 老人ケアの問題は深刻なだけに,その解決方法はたやすいものではない.「年寄りが死んで老人問題が終わった」これはそれまで苦労が多かった家族が言った言葉である.老人が倒れて入院先をようやく探しあてたのもつかの間,精神症状が出てきて,退院を申し渡され,また別の病院を探さなくてはならなくなった.そのようなことの繰り返しに,くたくたに疲れきった家族は老人の死によってのみ肩の荷を降ろすことができたのであろう.そこまで家族を追い込まざるを得なかった老人ケア体制の貧困さを感じざるを得ない.
 個人の老人問題は少なくともそれで解消したかもしれないが,老人問題そのものは連綿として引き続いているのである.知恵を寄せ集めてなんとかこの困難な問題を乗り越えていきたいものである.在宅サービスの充実はその一つの強力な武器であるに違いない.

病院と地域活動

病院健康管理科の意義とその活動

著者: 杉村巌

ページ範囲:P.539 - P.542

 総合病院で健康管理科を持っているところは,恐らく数は少ないと思う.今度,老人保健法が施行されたことによって,当科の設置を検討する気運も高まることが予想される状況下で,与えられたテーマを論ずるのは荷が重すぎる感がする.
 当院に健康管理科が設置されたのは昭和51年のことであり,その歴史も浅いが,当科が開設されるまでの当院の歴史的な背景や開設前後の活動状況を述べ,それに若干の私見も加えて,その責を果たしたいと思う.

民間病院を見る,聞く,語る・12

兄弟で育んできた病院—岩手県・西城病院

著者: 西城健 ,   西城克朗 ,   本誌編集室

ページ範囲:P.544 - P.549

 一見なんの変哲もない白い小さな建物であったが,一歩内部に踏み入れると検査機器類が所狭ましとばかりに並び,医局付近は廊下まで専門書雑誌類がはみ出して,さながら大学の研究室を連想させる.特に目玉はないのだが一地方都市の民間病院(66床)にしては,極めてユニークなものであった.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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