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文献概要
病院精神医療の展開 講演と討論
"良い精神病院"をめぐって・2
著者: 林宗義1 加藤正明2 松本胖3 式場聡45 目黒克己6 佐藤壹三7 吉松和哉8 鈴木淳9 井上晴雄10 菅又淳10 島田一男11 仙波恒雄12 浅井邦彦13
所属機関: 1カナダ・ブリティシュコロンビア大学 2前国立精神衛生研究所 3千葉大学 4日本精神病院協会 5式場病院 6静岡県衛生部 7千葉大学精神科 8東京都精神医学総合研究所 9国立下総療養所 10日本精神衛生会 11聖心女子大学心理学 12同和会千葉病院 13静和会浅井病院
ページ範囲:P.611 - P.616
文献購入ページに移動地域精神衛生の谷と山
佐藤アメリカではケネディ大統領のころ,非常に光あふれる精神科の時代があったようですけれども,最近はその光が少しかげっていると感じるわけです.また,カナダでもかつては新しい時代が来るという印象がありました.しかし,その後の動きを見ますと,現在は精神科も谷間の時代に入っているのではないかという印象が非常に強いんです.その辺,世界的にどうでしょうか.
林確かに,谷も山もあります.ケネディ大統領が法案を出したころ,全病床数の半分近くは精神科でした.それから全体の医療費が国民総所得の7%を超してしまったんです.この7%という数字は非常にマジカルで,イギリスも,ヨーロッパも,アメリカも7%までくると,医療費を削ろう,となる.そうすると,まず削られるのが精神科です.これが一つの大きな歴史的な事実で,我々はこれを見なければならない.
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