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雑誌目次

雑誌文献

病院42巻8号

1983年08月発行

雑誌目次

グラフ

急性期脳卒中の診療と研究に徹して20年—脳血管研究所付属美原記念病院

ページ範囲:P.657 - P.662

 財団法人脳血管研究所付属美原記念病院の創立は昭和39年8月であるから本年でちょうど20年目を迎えている.一昨年の6月創立者の美原博前院長を失い,現在荒木五郎院長が跡を継いでいる.その間,当院は急性期脳卒中の臨床研究のパイオニアとして,秋田脳研と並んで脳卒中診療の進歩に大きく寄与してきた.すなわち脳卒中患者の早期移送,全例に対する脳血管造影の施行,早期脳外科手術などによって,急性期脳卒中の臨床症状と病巣部位の関係,脳外科手術の適応などを確立してきた.
 近年のCTの全国的普及,脳卒中患者の漸減などによって当院は,果たしてきた役割のピークを越えたとも思われるが,今なお急性期脳卒中専門の病院として地域の重症患者の早期治療からその後のケアまでを一手に担っている.

日本病院会新執行部に期待する 諸橋芳夫会長と副会長4氏

著者: 花岡堅而

ページ範囲:P.664 - P.664

 本来,病院は入院治療が主体であるべきだが,現行の医療費体系の下では外来診療を行わなければ,病院経営は困難である.
 一言で病院と言っても,小規模のものから大規模のものまで種々あり,医療の質も内容も様々である.それらが等しくプライマリーケア的な外来診療を行うべきであろうか.病院の外来診療を中止すべきである,とまでは言わないが,そこから離脱すべき時機にあろう.また,薬価差益に依存する傾向からも脱皮しなければならない.そこに,適正な技術評価をすべきゆえんもある.

シリーズ・対話

医療と経済

著者: 西村周三 ,   塙正男

ページ範囲:P.665 - P.671

■ミクロとマクロの乖離
 塙今日は医療経済を研究されている西村先生に医療の第一線の現場の医者という立場からお話を伺いたいと思います.まず,先生が医療経済にどのような目標をもって取り組んでこられたのか,最近,『病院化社会の経済学』という本をお書きになられましたが,その延長上の話も含めお聞かせ下さい.
 この本を読ませていただいての私の感想ですが,一般に,ほかの分野の方たちの医療に関する発言は,医学や医療についての理解が少ない感じを受けていましたが,先生のご発言は非常に目配りが行き届いているような印象を受けました.

小特集 病院の機能分化—特に専門分化の今後

病院の専門分化と地域医療

著者: 関田康慶

ページ範囲:P.672 - P.679

専門病院増加の背景■
 質的に異なる新しい現象出現の背景には,閾値を上回るエネルギー蓄積が観察される.神経や筋に電流を流すと,ある閾値以上の刺激電流で,陰極から興奮が起こるし,核融合は,強力な電磁場に,ある密度以上のプラズマを閉じ込め,閾値以上の高温環境下においてはじめて反応し始める.また世論と社会の反発エネルギーの蓄積で,企業の社長が取締役会で突然解任されることがある.
 病院でも,脳卒中,循環器,リハビリテーション,小児などの2次,3次の専門病院化が進行しているが,その背景にはやはりエネルギーの蓄積があり,徐々に大きくなりつつある.では,エネルギー蓄積をもたらす基本的要因は一体何であろうか.

地域におけるがん専門病院

著者: 坪井栄孝

ページ範囲:P.680 - P.683

 老人保健法という制度の改革により日本の医療は大きな変換を余儀なくされた.その指向する方向が日本国民の医療にとって好ましいか否かはもすこし時間がたってみないと分からないが,ともかく急速な人口の高齢化と社会における価値観の激変がこの方向を選択せざるを得なかったことは確かである.
 最近,日本医療の将来展望についての論議が数多く聞かれるようになり,これからの病院のあるべき姿としての二極分化論が活発になってきた.特に私立の中小病院が存続していくためにはいかにあるべきかが大きな問題として取り上げられ真剣に討議されるようになった.いずれにしろ激動する現状の中で,病院が存続していくためには,大学,大病院が数多く存在する大都市と,医療施設が過疎な地方集落とではその病院の存在意義がおのずから異なるであろうが,その地域の中で医療を包括的にとらえ,その中でいかなる機能を分担していくかをまず考え,地域の必要性に合致した機構を具備する自覚が必要であろう.そしてその役割認識の上に立って,病院経営管理に当たってはあくまで学術的背景を重視して病院の資質の向上に努力すべきであり,それによって自らその病院の地域における存在意義が生まれてくるものと考えるべきである.

苦悩する小児専門病院—未来人の幸せを求めて

著者: 中野博光

ページ範囲:P.684 - P.687

中野小児(こども)病院の成り立ち■
 昭和41年10月病院開設.このころアジアではじめて国際小児科学会議が東京で行われることになった.欧米各国では,昔からどの国にも各地に小児病院があって,小児のために機能的な医療を行っていた.一方,我が国には小児病院はもとより小児科認定医の制度すらなかった.そこでちょうど明治の初めに鹿鳴館を作ったように,なんとかして我が国にも,せめて一つだけでも小児病院を作っておかなければ面目が立たない,また認定医制度も発足させておかないと恥ずかしいということで,急いで東京に国立小児病院を設立したり,日本小児科学会認定医を作ったりしたのである.私もそのころ患者の要望もだし難く,小児の病院を作るべく設計中であった.建設中の国立小児病院の見学をお願いしたところ,了承を得たので,カメラを下げて事務長と一緒に東京に向かった.未完成ながら,隅から隅まで案内していただき,あまり費用がかからないで取り入れられそうなものは,カメラにおさめて持ち帰った.そして間もなく完成したのが今日の中野小児(こども)病院の始まりである.その後,年を重ねて90床の医療法人真美会中野小児病院が運営されるようになったのである.
 開院の始まりから今日まで一貫していることは,小児を心身両面からトータルに診て行こうということ.したがって常に児童心理のカウンセラーが常勤で複数勤務し,同じ診療の場で,医師とともに一人の患児に対応してきたこと.

地域に実績を築く循環器専門病院—15年間の実績と問題点

著者: 田中孝

ページ範囲:P.688 - P.692

 近代科学のめざましい進歩は医学に大きな影響を及ぼし,病院の形態にも数々の変革をもたらしている.臓器別,系統別診療という一種の分化的診療が強調される一方,より総合的な観点に立った診療の重要性が認識され,分化と統合とが,より組織的に機能できる専門病院が脚光を浴びようとしている.
 循環器病の専門病院は,国立循環器病センターをはじめ,ここ数年の間に,全国的規模でその建設が進められている.我々の病院は昭和42年9月開院以来,15年を経過し,ささやかながら先駆的な実績を築いてきた.内科系,外科系を併せ持つ循環器病の専門的治療施設は,すでに榊原任教授(当時)が昭和30年に,東京女子医科大学内に発足させており,福井循環器病院は,この心臓血圧研究所(心研)をモデルとして,榊原教授の出身地福井市に,独立した第一線の専門病院として建てられたものである.

診療・研究・研修の連携を目指す脳神経外科専門病院

著者: 中村順一

ページ範囲:P.693 - P.695

 昭和45年に332床で中村脳神経外科病院としてスタートした当院も10年以上を経て,昭和55年に中村記念病院となり,現在の550床から更に730の病床を持つ病院を目指して新しいスタートをきったところである.
 開院当時は交通戦争の真っただ中で,全国一の交通事故多発地域である北海道の特殊事情のため,頭頸部の外傷患者が入院患者の多数を占め,その診療に追われていたのが現実であった.現在では,社会の高齢化などの社会的事情が変化し,脳動脈瘤,脳出血,脳梗塞などの脳血管障害(いわゆる脳卒中)の患者数が増加し,入院患者の疾病構成にも変化を生じてきている.一刻を争う脳神経外科的疾患を扱う病院として,365日,24時間体制を敷いてきたが,余裕を持った332床の病床も年を経るごとに手狭さを感じるようになったため,患者受け入れ体制を整えての再スタートである.現在のスタッフは,医師約40名,看護婦など約400名,その他約160名の計600名である.365日,24時間診療の体制は継続し,救急搬入,検査,手術,治療,リハビリテーションの連携が円滑に進行する設備,システムを取り入れている.

整形・形成外科中心の専門病院

著者: 米満弘之

ページ範囲:P.696 - P.698

熊本機能病院の開設と現状■
1.当院開設の目的と経過
 当院開設の目的は次の点である.整形外科,形成外科を中心として,救急医療からリハビリテーションまでの一貫した機能回復を行う医療体制を完成させること,著しく遅れている先天性奇形,顔面外傷などの形成外科医療のレベル向上,身体障害者に対する医療的,社会的配慮の充実(例えば,身体障害者の歯科治療),それに,地域における健康管理,特に老人の健康保持,体力保持のための手助け等々で,本来の機能回復を図る専門病院を目指し熊本機能病院と名付けた.
 当院は,病床84床,整形外科,形成外科,理学診療科,循環器内科,歯科の計5科を標榜し,医師9名,看護婦50数名,理学療法士3名,作業療法士1名,その他の職員を含め合計120数名で昭和56年5月1日に開設した.

病院と地域活動 インタビュー

ある医療法人病院の地域活動

著者: 稲見研二

ページ範囲:P.699 - P.704

■ここ10年で変貌した石狩町
 茨戸病院も札幌市の郊外の石狩町に開院してから10年たちました.石狩町は,札幌を中心にしたドーナツ現象に入る一地域で,開院当時から,札幌に隣接する町として発展が期待されていました.48年ころは石狩湾新港建設という国のプロジェクトが始まろうとしていたときで,石狩は発展するのではないかと考えていました.現実にはあまり発展していませんが,ただ,人口は3倍くらいになっています.
 しかし,10年前には医療機関はもちろん,医療そのものも全く何もない町で,そんな町に,100床の病院をいきなりつくるなんでバカではないかと言われました.町内には大正時代から開業されている先生と,ほかにもうお一人,10キロ以上離れた所の先生とお二人で,病院は全くありませんでした.私がここに病院をつくるころは,まだ医師会の適正配置が強く言われていた時代で,それで,どこへ挨拶をしたらいいのか,ぐるっと見回しても,農家が点在するだけで,どこにも何もない.医師会の事務局の人も,"わざわざ行かなくても,電話で連絡すればいいでしょう."と言うような状況だった.

講座 「修正病院会計準則」について・5

損益計算書原則

著者: 針谷達志

ページ範囲:P.706 - P.707

基本的修正
 損益計算書原則は現行の準則に対し大幅に修正されている.その主な修正点と特徴は次のとおりである.
1.損益計算書の本質規定を設けたこと

病院職員の基礎知識 診療科の知識

耳鼻咽喉科

著者: 犬山征夫

ページ範囲:P.708 - P.708

耳鼻咽喉科の歴史
 古代エジプトにおいては,ある者は身体の一部のみを診療し,またある者はただ一つの疾患のみを取り扱うという最も狭い意味での専門医が存在していたようである.しかしいわゆる専門医が発達してきたのは比較的近世になってからである.すなわち18世紀ごろより分科の傾向が起こり,まず眼科医が現れ,次いで産科,婦人科,耳科などの各専門医が登場した.一方,喉頭科医は耳科医よりかなり遅れて登場した.その発展の過程をみても耳科医は手術に習熟した外科医であったのに対し,喉頭科医は胸部知識に詳しい内科医であった.喉頭科学はもともと喉頭のほかに咽頭の研究を含んでいたため,その後,鼻科学の研究を含むまでに発展した.このように耳科学と喉頭科学は別々に発展してきた学問であったが鼻科学が両者の橋渡しとなり,今世紀に入ってから耳喉頭科学に統一されることになった.そして今日ではより正確なかつ総合的な「耳鼻咽喉科学」という名称が広く一般に認められ,用いられている.因みに現在の我が国の耳鼻咽喉科医は気管支鏡や食道鏡検査にも習熟しているため,実際の診療においては気管食道科も取り扱っている.

医療制度の知識

我が国の医療保険制度における診療報酬の算定方式

著者: 藤崎清道 ,   北川定謙 ,   土居真 ,   矢野周作

ページ範囲:P.709 - P.709

 我が国の医療保険制度では,保険医療機関が診療報酬点数表に基づいて医療費を請求する仕組みになっています.医療サービスが保険診療上どのように評価されているのかについて,診療報酬点数表を中心に説明してみます.

ケーススタディ・人の管理

チームを組むには敬遠される41歳のママさんナース

著者: K病院

ページ範囲:P.710 - P.711

〔事例〕
 看護婦Aさんは,家事育児と職場の両立を目指し頑張っている41歳のママさんナースであり,当院開院時からの勤務者である.当院における看護歴は7年目,通算経験年数は18年を越える.
 私たち看護職員は患者さん及び医療従事者の双方と人間関係を結ぶ職業である.看護職は良い人間関係を保たねばならないとよく言われるが,良い状態に保つということは非常に難しい.

事務長のページ・病院の運営管理

専門病院の事務長の経験と考え方

著者: 萩田強

ページ範囲:P.712 - P.713

 近年,病院を取り巻く環境は極めて厳しいものとなってきているが,これまでの病院は保険制度の中で保険点数によって価格を統制されていた反面,定期的な医療費改訂(値上げ)が病院の経営を保障していたとも言える.しかし,今後病院の収入は国の医療費抑制策によってますます制限を加えられることになり,しかも,この枠の中で人件費,材料費その他の経費を支払い,経営を維持して質の高い医療を行っていかなければならない.経営管理における事務長の役割が,ますます重要な位置を占めるようになったことを認識すべきである.
 病院の経営管理は,経営主体,病院種別,規模などによって多少性格を異にする面があろうが,以下専門病院の事務長としての素朴な経験と考えの一端を述べたい.

統計のページ

病院経営収支と経営諸指標・3—主として「病院運営実態分析調査」(57年6月)の結果より

著者: 森福省一

ページ範囲:P.714 - P.715

職員数など(承前)
(7号より続く)
3.看護婦の勤務体制及び夜勤人員
1)勤務体制
 3交代,2交代,当直制及びその他の別に,看護単位数を集計したものが表11である.
 3交代が最も多く87.1%を占め,当直制がこれに次いで多く9.2%となっている.2交代は少なく3.2%を占める程度である.

税務QアンドA

法人化のメリット

著者: 森久雄

ページ範囲:P.717 - P.717

 問 一人医師法人制度が具体的な法制化問題となっているようですが,医療業の法人化はメリットが少ないと言う人も多く,非常に迷っています.
 そのメリット,デメリットを教えて下さい.

定点観測

—長崎から—医療人としての心遣い

著者: 岩崎栄

ページ範囲:P.718 - P.719

新病院がオープン
 3月22日,いよいよ新病院の落成のための記念式典が挙行された.地域住民にこそ見てもらいたいものなのに相変わらずの御上(おかみ)式の来賓の選び方である.だれのための病院なのであろうか.一般参観日をぜひにという私のたっての願いが聞き入れられ2日間がそれに当てられた.宣伝が徹底しなかったこともあってか参観者は少人数であったが,来られた方たちには喜んでいただいたようだ.
 28日,地域救急医療対策協議会が開かれ,本病院は2次輪番制へ組み込まれたが,本院の医療のモットーとするいつでも,だれにも,たやすく利用していただくということからして,院内的には24時間対応できる用意がなされている.またプライマリ・ケアを提供する意味からも内科系に限らないことも当然なことである.そもそも救急に内科系だ,外科系だと患者が十分に判断できるはずもない.救急は救急なのだ.どのような患者にも対応するのが救急医療の本質であるはずである.

新 病院建築・68

聖隷三方原病院・聖隷浜松病院の設計

著者: 高橋公雄

ページ範囲:P.721 - P.727

(1)聖隷福祉事業集団
 聖隷福祉事業集団は,国内はもとより,世界でも広く知られている福祉団体である.いくつかの社会福祉法人,社団法人,学校法人,宗教法人が協議会として統括されていて,医療,福祉,教育のあらゆる領域にわたり,キリスト教精神にのっとった幅広い活動を展開している.
 昭和5年,当時の業苦であった,身の置き場のない肺結核の患者を引き受けて,キリスト信仰の愛の精神から介護を始めて以来,すでに半世紀有余の歴史を刻んできている.

民間病院を見る,聞く,語る・13

仙台のベッドタウンに生まれた脳卒中専門病院—宮城県・財団法人宮城厚生協会泉病院

著者: 北村龍男 ,   成田憲治 ,   車田松三郎

ページ範囲:P.728 - P.733

□病院開設の二つの理由
 車田泉病院ができるようになった契機から伺いたいと思います.
 北村 これは二つあるんです.私ども宮城県民主医療機関連合会,通称宮城民医連という組織に加盟しています.脳卒中の診療をやっていく面から言いますと,診断でも治療でも,最近は,相当,専門的になってきている.少なくとも診断面ではCTスキャンも,血管撮影もしなければならない.また治療の面では,実はまだこの病院,脳外科が開設されてないんですが,脳外科的な治療が欠かせなくなってきている.そのように診療面で,一定程度の重装備化が必要になってきている.いわばそういう診断の機械や専門医を民医連のすべての病院で持つというわけにはいかないので,ここにおいてそれを宮城民医連に加盟している全部の院所で利用しようということがあったわけです.ですから泉市あるいは仙台市その他の脳卒中で倒れた方が開業の先生から紹介されてきたり,救急車で直接運ばれてきてもいますけれど,数の上では民医連の病院から紹介されてくる方が多い.

研究と報告【投稿】

医療技術者の職業意識についての実証的研究—第2報教育と研修における効果とその限界

著者: 田尾雅夫

ページ範囲:P.734 - P.736

結果(承前,42巻3号より続く)
3)専門教育の効果
 医療技術者は年々増加の一途であるが,彼らを養成するための教育機関は,その一部が医療短大であるのを除けば,ほとんどが専修学校か各種学校である.栄養士のように,短大・大学卒業者の多い職種もあるが,むしろ例外的であり,他の医療関係職種のように教育機関と医療組織との関係が必ずしも直接的であるとは言えない.このような教育制度には,どのような特徴が見られるのであろうか.
 まず,これらの教育機関の多くは実業学校として位置づけられている.つまり,"明日からでもすぐに役に立つ"知識や技術を教授することが,その主たる教育的使命とされている.したがって,基礎的概念や方法論の修得よりも応用的知識や実際的技術を重視するようなカリキュラムが組まれる傾向にある.

病院薬剤部の残置薬からみた諸問題

著者: 松尾直枝 ,   近藤由利子 ,   渡辺敬一

ページ範囲:P.737 - P.739

 外来診療の後に発行される処方せんの数が年々増加する一方,これらの処方薬が当日中に受け取られず,一定の保管期間を過ぎ,やむなく処分する薬の数も決して少なくない.
 このような残置薬の生ずる原因として,待ち時間の長さが挙げられるが,その相関・対策については,これまでにもいくつか報告されている1,2)

ニュース

「医療における福祉サービス」を討議—第31回日本医療社会事業大会,高知で開催

著者: 編集室

ページ範囲:P.739 - P.739

 「第31回日本医療社会事業大会」が去る5月20日,21日の2日間,高知市の県民文化ホールで開催された.この大会は医療ソーシャルワーカーの全国的組織である日本医療社会事業協会が主催するMSWの全国規模での研究集会.今回は,昨年に続いて「医療福祉の進展を期して」をメインテーマに「医療における福祉サービス」を討議した.
 今回は樋口恵子氏の特別講演「医療における福祉サービスとは」,パネルディスカッション「ソーシャルワーカーの視点と専門領域をめぐって」,意見発表「MSWに期待する」,4分科会での研究発表などがもたれた.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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