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特集 「医療法改正」の焦点
「医療法改正」に思う
著者: 長浜二三則1 小川保一2 高宮澄男3 新貝修45 海塩毅一6 澤潤一78
所属機関: 1肝属郡医師会立病院 2県立広島病院 3医療法人真愛会高宮病院 4成増厚生病院 5日本精神病院協会 6秋田県厚生連由利組合総合病院 7全日本病院協会 8さわ病院
ページ範囲:P.38 - P.45
文献購入ページに移動医療の官僚支配は厚生省の長い間の懸案であり宿題であった.武見日医の25年間は日医と保険行政との,この件をめぐっての対立抗争の歴史であったとよく言われている.現象的には武見前会長の政治力と論理の前に,官僚が国営化路線を一歩も前進させられない事実となって現れていた.現在までの日本の医療は世界に冠たるものであることは,出生児死亡率が世界一低いこと,平均寿命が急速に伸びて世界で一,二位の長寿国であること,及び質の良い医療が極めて安価に提供され,医療が受けやすい等々枚挙にいとまがない.これらのことは自由開業医制をベースとした民間の活力に負うところが極めて大きいと言える.
しかし急激な老齢化,医学の進歩は医療費の高騰を招き,破綻寸前の国家財政が背景となって,医療費削減は現下の急務となり,また医療法が施行された昭和23年当時の医療実態と,35年後の現在のそれとでは「天と地」ほどの大きな乖離となっていることからして,総論的には抜本改正しなければならない時期に来ていると考えている.
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