文献詳細
文献概要
特集 医療ソーシャルワーカーの現在
医療ソーシャルワーカーの現在
著者: 奥川幸子1
所属機関: 1東京都養育院附属病院医療社会科
ページ範囲:P.844 - P.849
文献購入ページに移動医療ソーシャルワーカーのしごと—その存在意義,役割と専門性
1.夢の中へby井上陽水—患者からのメッセージ
今年の夏の終わり,私は1年前から週に1度の定期面接を続けてきた患者から,手紙ともつかぬ強烈なメッセージを受け取った.それは四つ折りにたたんだレポート用紙に,ほんの2年あまり前までは利き手ではなかった左手で,たどたどしい筆跡ながらもくっきりとしたブルーと赤のボールペンで書かれてあった.その患者は,この春20歳(はたち)の誕生日を迎えたばかりだった.
ブルーで書かれた文は,ひと昔前に流行(はや)った井上陽水の詩(うた).その下にある赤のボールペンで記された文字は,彼の心の叫び.すべての夢を断ち切られ,絶望の淵に立った彼の悲痛な想いが,私の胸に深く突き刺さった.
1.夢の中へby井上陽水—患者からのメッセージ
今年の夏の終わり,私は1年前から週に1度の定期面接を続けてきた患者から,手紙ともつかぬ強烈なメッセージを受け取った.それは四つ折りにたたんだレポート用紙に,ほんの2年あまり前までは利き手ではなかった左手で,たどたどしい筆跡ながらもくっきりとしたブルーと赤のボールペンで書かれてあった.その患者は,この春20歳(はたち)の誕生日を迎えたばかりだった.
ブルーで書かれた文は,ひと昔前に流行(はや)った井上陽水の詩(うた).その下にある赤のボールペンで記された文字は,彼の心の叫び.すべての夢を断ち切られ,絶望の淵に立った彼の悲痛な想いが,私の胸に深く突き刺さった.
掲載誌情報