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文献詳細

雑誌文献

病院43巻10号

1984年10月発行

文献概要

特集 医療ソーシャルワーカーの現在

地域医療と医療ソーシャルワーカーの機能・役割

著者: 角谷増喜1

所属機関: 1医療法人西陣健康会堀川病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.858 - P.859

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 地域医療活動は,住民の生活と健康を守るコミュニティ・ケアの一環である.その内容には疾病の治療と予防,生活障害に対するリハビリテーションが不可欠であろう.
 ところで当院(堀川病院)で行っている地域医療活動は,2本の軸によって成立している.縦軸は,病院・診療所で行われる施設医療と,地域の隅々に入りこんでいる往診・訪問看護体制であり,それによって可能になった在宅療養生活である.横軸は,地域住民組織の健康会活動である.健康会は約4,000人の会員を擁し,会員と家族に対する保健予防活動,ボランティア活動,患者会組織が主な活動である.西陣織という地場産業に働く職人を中心とした組織だけに,結束は固く,病院との連携も強固である.もともと戦後の混乱期に地域に蔓延する結核や伝染病に倒れる住民が,自らを守るために病院づくりを開始したのが今の活動の起点である.これまでの活動は,対応の遅い行政機関を一歩リードする形で進められ,必要なものは何もかも自分たちで作り出そうとする活発さを持つ反面,活動の成果は同地域内にある他の諸機関が利用しにくいややクローズな面もあった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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