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時評
豚と近代合理主義
著者: 塙正男
所属機関:
ページ範囲:P.976 - P.976
文献購入ページに移動デンマークの豚は,1900年ころから養豚を国家的輸出産業とするべく,近代育種学の粋を集中して,豚の改良に力を入れた結果,脂身のない,しかも胴長の豚をつくり上げることに成功した.とにかくそのために,肋骨の多い豚が生まれたのである.一方中国では,ここ何百年か(現在でも全く)手を加えられないままに豚を飼ってきた.豚もハダシだし,人間もハダシである.同じ長屋の一室を与えられ,人間の残り物を食べて育つ(エサも少しは与えるが).したがって,清掃の手間がはぶけるわけである.その代わり,成育速度がヨーロッパ種に比較して3倍くらいかかる.脂身も多い.姿,形も白人と東洋人くらいの差がある.
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