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雑誌目次

雑誌文献

病院43巻5号

1984年05月発行

雑誌目次

特集 看護度と必要要員

看護における必要人員数の算定法

著者: 松澤孝子

ページ範囲:P.381 - P.385

はじめに
 社会環境の変化と病院経営の悪化は,医療費の抑制,人件費の高騰から,看護婦の数の問題に強い圧迫を受け,適正な看護要員とは何か,看護婦数をもっと減らしてやって行けないだろうかと大きな課題を投げかけられている.昭和23年制定された医療法第19条4項の病院患者数に対する看護婦および准看護婦の員数の標準は「入院患者の数が4又はその端数を増すごとに1及び外来患者の数が30又はその端数を増すごとに1」と示されている.しかし,これについては医学の発達,疾病構造の変化,医療技術の変化は,看護業務とその機能に変革をもたらし,更に社会状況と国民の病院医療に対する要求の度合いが高まり,看護機能の拡大からも看護職員の需要が高まって,あらゆる手段をもって看護婦の配置が考えられている.
 現在問題とされている看護婦の数は,看護婦の量的不足が叫ばれ,医療関係者の中で大きな関心と経費をかけて人集めをしている実態と,経営面の抑制からいかに人を少なくしてやって行けるかの問題とが交叉して,看護婦数の適正の焦点がぼけて論議されている.

看護のケアニードに基づいた人員配置—適正な人員配置を求めて

著者: 栗原やま

ページ範囲:P.386 - P.391

はじめに
 看護部長の役割,機能は,それぞれおかれている病院の状況によって,様々であろうと思われる.当院の場合,看護部長の年間業務計画の様々の問題のうち何にもまして,重要な問題は,良いナースになるであろう看護学生に,1人でも多く応募していただくことである.そのためには,普段の看護体制,たとえば,院内教育の充実,看護業務量の分析などによる適正な人員配置,専門職志向,及び,働く環境についてのナースの健全なニーズを満たせるよう計画することであろうと考えている.しかし,最近の医療機器,及び技術の進歩は,臨床における検査の増加をともない,かつ,治療内容等の複雑さは,看護ケア量の増大とナースの精神的緊張を高めてきている.そうした中で,適正な人員配置ということは,実際に,極めて難しい問題である.それはいうまでもないことであるが,患者の看護ケアニーズはたえず変動し,その変動の度合も不定であること,また,それに対応するナース個々の能力も一定ではない.その上,限りある資源のなかで,しかも医師側の診療ニーズも無視できない状況のなかで,ナースの適正な配置をするなどとは,あるいは,不遜なことかもしれない.しかし,だからといって腕をこまねいてはいられない現実がある.そこで,各病棟の看護ケアニードを客観的につかめる方法はないだろうか,そして,それに対応する看護人員を割り出す方法は見つからないだろうか.

看護度に応じた人員配置

著者: 塚田八重子

ページ範囲:P.392 - P.395

はじめに
 当院では昭和50年以来,業務全般の見直しを図り,改善を行ってきた.ともすれば自己本位になりがちな中で,全病院的視野と患者サイドに立っての業務の見直しと改革であった.
 我々看護部門もこれに応えて,患者のニーズを把握し,高い質の医療を効果的に提供するため,従来の業務内容や体制の検討・改善を行ってきたので以下に報告したい.

看護量算定に向けて検討の経緯—患者状況分類をもとに

著者: 樫田テル ,   角川智 ,   加藤緑 ,   宮崎公子 ,   山田和子

ページ範囲:P.396 - P.399

はじめに
 看護要員を効果的に配置するためには,看護ケアの質と量の把握が最も重要であると考える.当院の看護要員配置の現状は昭和49年基準看護実施に先立ち,35〜40床の看護単位を70床に一部切り替え,看護要員の効果的活用の工夫を行ってきた.それ以降,基準看護の特II類を採用していることと,それぞれの病棟の特殊性をふまえて看護部長が総合的に判断し,看護要員の配置を行っている.病床数883床を有する大学病院として,地域の需要に対応できる高度な医療内容と,日々増強する患者のニードに対して客観的に看護ケアの質と量を把握し,それに裏づけられた看護要員の配置がますます求められてきている.
 当院の看護部業務委員会(以後,当委員会と略称)では,昭和52年5月以降患者状況と看護度の双方を把握することにより,看護要員算定の基準になるのではないかと考え,この方法の検討を行ってきた。手段として具体的に活用する段階までには至っていないが,今までの検討の経緯と今後のめやすについて述べる(表1参照).

新人看護婦と先輩看護婦の人員配置—新卒者病棟の試みとその経過

著者: 江副信子

ページ範囲:P.400 - P.402

はじめに
 57年末に開院して間もない当病院で,多くの関係者の理解と協力を得て,58年4月に新卒者チームによる病棟づくりを始めた.
 多少の混乱がありながらも医療機能の停滞を生じることもなく,10か月の日々を経過した.この新卒者病棟に,14名の新卒者が参集し,更に病院内における医療機能・病棟機能を維持していくために,臨床実践を有する看護体験者を4名配置した.

病院建築からのアプローチ

著者: 長澤泰

ページ範囲:P.403 - P.407

はじめに
 本稿での論を進める前に,まず建築家としての筆者の立場を明確にしておかねばならない.筆者は現在の病院建築の使われ方をできるだけ客観的に分析し,どのように既存の病院の改善を行い,今後の病院を計画すべきかの研究に従事している.したがって,もっぱら看護や人事管理の分野に属する「看護度と必要要員」の問題については提言できるはずはなく,たまたま病院管理研究所に籍を置いているとは言え必要人員について何ら注釈を加える権限も有しない.
 ただ,本特集の主題に何らかの貢献ができるとすれば,現在に至るまで,看護側あるいは病院側での判断の結果が,病院,特に病棟の設計にどのような影響を与え,今後どのような問題を蓄積することになるかを示す程度である.

対談

ホテルとホスピタルにおけるサービス度と必要要員

著者: 山口祐司 ,   黒田幸男

ページ範囲:P.408 - P.415

 黒田 最近病院では,看護度の問題を中心に,必要人員の問題が云々されてきていますが,はっきり決め手になる基準がないんです.もちろん法律的な基準,患者さんの量に応じた基準,もっと具体的には看護度などを点数化した基準とかいろいろあり,また結果論的に,何々病院は何人でどういう割合だとかいう分かったような分からないような基準はあるんです.そこでもう少しはっきりした基準ができないものか,各病院でいろんなアプローチをやり,いろんなデータが,看護婦さんの学会や勉強会,病院学会でも出てきていますが,ズバリこれだけのサービスをしたらこれだけの人が必要なんだ,そういうサービスをうける人の状態によってこれだけのサービスが必要なんだというものが,なかなか出てこないんです.
 そこで本日は,医療以外の産業の中で,同じ語源(hospes=もてなす)から発生したことからも分かるように,サービスという面で,病院ともっとも多くの共通点をもつと思われるホテル産業においては,サービス度(看護度)と必要要員の算定について,どのように対処されているか,という点を中心に,お話をうかがいたいと思います.

グラフ

24時間体制を敷く脳神経外科病院—医療法人医仁会中村記念病院

ページ範囲:P.373 - P.378

■1970年に単科専門で発足
 札幌市内及びその近郊では新病院の開設が続いている.それも二,三年前までの老人病院に代わり,疾患別の専門化が強まっている,特に,100床から150床規模の循環器科,呼吸器科,消化器科などの専門病院が相次いでいる.
 外科領域では,理学診療科を併設する整形外科,脳神経外科を主体とした専門病院の開設が進んでいる.市内で脳神経外科を標榜している病院は14施設,現在も2施設が建設中である.

第23回全国自治体病院学会会長 愛媛県立中央病院院長 江里口健次郎氏

著者: 徳永昭夫

ページ範囲:P.380 - P.380

 江里口先生は,葉隠で有名な佐賀の人で,正義感が強く自己に厳しいクリスチャンである.高校を台北で過されているので淡水と号され,悠々と自然を愛する温い一面も持っておられる.昭和16年九州帝国大学第一外科ご入局後,軍医として北鮮,次いで決戦場比島へ赴かれた.危険な最前線に派遣されたのに,司令部のほうが爆砕されて,奇蹟の生還をされたと聞いている.この事が先生の死生観を変えられたのであろうか,日々のご様子の中に,ひたむきな真剣さが感じとられるのである.
 私が先生に師事したのはインターン研修の時で,外科の初歩から始まり,人生のあり方についても教えていただいたと思う.あのころ重症者の手術直後,血まみれの手術衣姿のままご自分の血を患者に輸血されている崇高なお姿を度々拝見した.理想の医師像として今なお私の脳裏に焼きついている.古かった病院も先生を推進力として見事に近代化され,外科診療でも俊才を集められて専門診療のシステムを確立された.院外でも松山市医師会並びに県医師会理事として,開業医と勤務医の提携を進められた.それが日医の注目するところとなり,勤務医委員会のメンバーとして活躍され,昨秋は全国勤務医大会を主催された.

厚生省から'84

周産期医療施設・設備整備費について

著者: 関修一郎

ページ範囲:P.417 - P.417

 最近の我が国の周産期・新生児・乳児死亡率の改善は誠に目覚ましい.1982年は乳児死亡率が世界一になった.とにかく,母子保健のパラメーターは完全に世界のトップクラスであることを表している.文化的向上や衛生思想の普及,医療技術の向上などがこのような目覚ましい改善の理由であると思われるが,ここ10年くらいの間に急激に整った新生児医療の全国的システム化が最も大きい役割を果たしたことは確実である.
 新生児医療のシステム化が行われていった背景には二つの重要な事実がある.まず全世界的にみて小児科学の数ある領域の中でも新生児学ほど,ここ10年の間に発達したものはないということである.小児科学会や専門誌の中で常に最も多い分量を占めている.この傾向は,まだまだ続くようである.次に児童福祉法に規定される中央児童福祉審議会の昭和49年における答申である.この中に妊産婦・新生児の救急医療システムの重要性が謳われている.これを受けた形で,更に学界の気運も盛り上がっていたこともあいまって,新生児のICU (NICU)の施設設備整備費の予算補助が医務局予算に計上されたのである.昭和57年の厚生科学研究によれば,質的ばらつきはあるにしても全国約8割の地域にNICUが整備され,地域医療の中で一般医療施設と高次の施設の役割分担が推進され,病的新生児や未熟児の搬送システムが確立されつつあると言ってよいようである.

講座 「修正病院会計準則」について・14

貸借対照表原則(つづき)

著者: 針谷達志

ページ範囲:P.418 - P.419

引当金
 この講座の第9回で,適正な期間利益を計算するために,費用または損失の引当ての処理が必要であると述べた.すなわち,①将来の特定の費用または損失であって,②その発生が当期以前の事象に起因し,③発生の可能性が高く,④その金額を合理的に見積ることができるという4つの条件を満たす場合に,当期の負担に属する金額を当期の費用(または損失)として計上することを「費用(または損失)の引当て」と言い,この場合にその相手科目(一種の見積負債またはマイナス資産項目)として引当金が設定されるわけである(注解注19参照).
 引当金を設定する主旨は,上に示したように正しい期間利益の決定にある.上記4条件の中の「当期の事象に起因し」という表現は,そこから生ずる費用(または損失)は当期の収益に対応すべき当期の費用であるという認識の根拠を示している.当期(当年度)の事象とは,当年度に診療をしたとか,医薬品や診療材料を使用したとか,あるいは債務の保証をしたとか,訴訟の判決が確定したとか,台風で建物が損壊したというような事柄をさしている.

病院職員基礎知識 院内各部門の知識

リハビリテーション部門

著者: 土肥信之

ページ範囲:P.420 - P.420

成立ちと歴史
 障害の治療という概念は当然古代から人々の頭にあったには違いないが,リハビリテーションという概念・言葉が,現在のように障害者のための医療・福祉を示す言葉として広く用いられるようになったのは,今世紀の初めごろからである.特に1940年代には第二次大戦の結果,戦傷により多くの障害者の発生があり,近代的なリハビリテーションの体系ができてきたと考えられる.
 我が国でも1920年代,既に肢体不自由児の療育の面からリハビリテーションの理念が明確に示され始めており,立派な歴史的基盤をもっている.

防災の知識

防災マニュアル(5)—自衛消防隊

著者: 石山稔

ページ範囲:P.421 - P.421

 "いざ"という時,最も力となるのはよく訓練された自衛消防隊の働きであろう.本院では保安係と施設係とで自衛消防隊を編成し,24時間いつでも対応できる体制をとっている.ニューヨーク聖ルカ病院の場合は,そのマニュアルの中で次のようにその役割を規定している.

ケーススタディ・人の管理

視能訓練士のつきあげ

ページ範囲:P.422 - P.423

〔事例〕
 私は360床の総合病院の人事課長である.
 とかく理学療法士など採用の難しい専門職の採用については,人事課長はよく泣かされるものであるが,視能訓練士についてもその例外ではない.

事務長のページ・病院の運営管理

事務長の真価が問われる時代

著者: 奥村眞喜男

ページ範囲:P.424 - P.425

医療を取り巻く現状
 昭和55年12月ごろから病院経営を取り巻く環境が悪化し,特に56年6月の医療費改定に伴う薬価の引き下げを境に,悪化の一途をたどっていることくらいは,医療人であれば常識として定着しているはずである.
 しかし一方,病院の幹部の中ですら長い医療界の密月時代を夢見て,「甘えの構造」が定着していると言える.

統計のページ

病院の経営分析・1—「病院経営実態調査」(全国公私病院連盟・日本病院会,昭和58年6月)より

著者: 森福省一

ページ範囲:P.426 - P.427

病院経営収支の動向
1)黒字赤字病院数割合
 全国公私病院連盟が,毎年6月に,最近は日本病院会と合同して実施している「病院経営実態調査」の資料に基づいて,開設者別に黒字—赤字病院の割合の年次推移を表1に示した.
 最近において黒字病院が最も多いのは,昭和53年の54.2%であった.その後,漸次,黒字病院は減少し,赤字病院が増加し,56年には黒字病院は27.4%までに減少した.

税務QアンドA

学資をめぐる税務

著者: 高橋久夫

ページ範囲:P.428 - P.428

 問 当医療法人では,このたび看護婦などの有資格者を確保するため,女子従業員に対し看護婦または准看護婦の資格を取得するために必要な学資を支給することを検討しております.
 学資については,非課税であるから源泉徴収の必要はないという意見と,従業員としての地位に基づいて支給されるものであるから給与として課説の対象となるという意見があり,その取扱いが必ずしもはっきりしません.

インタビュー

ハンセン病と取り組んで50年—国立療養所多磨全生園 大西基四夫園長

著者: ,   本誌編集室

ページ範囲:P.429 - P.429

—現在,どんな患者さんがおいでになり,どのような運営がなされていますか.
 全生園とは限らず,全国のハンセンの療養所の問題ですが,化学療法が発達して障害の少ない人は退院して,障害の重い人が残りました.今900名いる当園の患者の平均年齢は63歳です.言い換えれば,発病して30年以上で障害を持ち,社会復帰とか家庭復帰は望めない,療養所で最後まで何もかもめんどうをみなければならないご老人です.

定点観測

—長崎から—新しい視点に立つオープン化を

著者: 岩崎栄

ページ範囲:P.430 - P.431

社会環境の変化と公立病院の対応
 老齢化社会の到来という人口構成の一大変容ならびにそれに伴う疾病構造の変化は,社会全体を巻き込みながら,殊に医療社会における保健や医療・看護の需要の大変革をもたらしつつある.それに加え,国民医療費が年ごとに増加を示し,これまた医療社会の変容を迫る大きな要素となっていることは周知の事実である.
 このようにして医療を取り巻く環境は,厳しさを増しながら時々刻々と変化している.にもかかわらず,医療供給体制において,それに対応するだけのものが準備されていないことも事実である.

新 病院建築・77

聖マリア脳神経広域救急医療センターの設計

著者: 井手道雄 ,   林隆士 ,   井手義雄

ページ範囲:P.433 - P.437

はじめに
 聖マリア病院は昭和28年に結核の治療を主として設立されたが,昭和36年より救急医療を開始し,昭和39年4月より現在まで全日24時間体制の救急医療に加えて,特殊専門の救急医療へと展開し,かつ広域化を図っている.現在,病床数960床の総合病院である.
 本稿では,昨年4月に落成した聖マリア脳神経広域救急医療センターとリハビリ・センターの設計及び建築について紹介する.

病院精神医療の展開

岩手県における精神科救急の実態

著者: 田中善立 ,   土屋隆 ,   八木昭彦

ページ範囲:P.438 - P.441

 精神科救急とは緊急に必要な治療・保護・処遇を要する状態を言うと,我々は考えている.したがって,救急の患者はいつでも,どこにいても,できるだけ早くその処置を受けられることが望ましい.
 ところで,精神科救急医療体制については,昭和53年11月6日から東京都で,全国にさきがけて休日・夜間精神科救急医療体制が取られたのが,最初であろう.

中小規模病院の運営

徳洲会病院における夜間外来診療の実態

著者: 中川和喜

ページ範囲:P.442 - P.443

 ここ数年来の医療費の高騰による財政圧迫の影響で,国家をあげての医療費抑制策が推進されてきた.
 昨年の薬価改正,老人保健法による一部負担制の導入に始まり,今年も,3月には医療費の改定・薬価の引下げが行われ,更に保険本人の負担増,入院食事代の患者負担などの健保法の改定案も出され,患者の医療費負担が増大する傾向にある.

在宅ケアへの模索

訪問看護の有効性—1.生活の視点と在宅療養

著者: 菊池令子

ページ範囲:P.444 - P.447

 昨年2月,老人診療報酬に退院患者継続看護・指導料が点数化され,医療機関からの訪問看護に一応の財政的裏付けがなされた.しかし,医療機関からの訪問看護を必要としている人々は,老人以外にも多くいるにもかかわらず,一般診療報酬では,まだ点数化されていない.本会では,訪問看護料の点数化を促進するために,医療機関からの訪問看護の必要性と有効性を説得する資料が必要と考え,訪問看護検討プロジェクトを結成した.実際に医療機関からの訪問看護を行っているベテランの保健婦・看護婦が委員となり,事例を検討しながら,訪問看護の有効性を検討してきた.このプロジェクトで検討されてきた内容を,3回に分けて述べてみたいと思う.
 今回は,医療機関からの訪問看護の事例を見ながら,在宅療養した人々の生活の幅がいかに拡大しているか,その際,訪問看護がどんな役割を果たしていたかに焦点をあてて述べることにする.

民間病院を見る,聞く,語る・18

理事長,院長輪番制で仲良く20年—千葉県・医療法人成春会北習志野花輪病院

著者: 奥田徹 ,   荒川征之 ,   一条勝夫

ページ範囲:P.448 - P.453

 東京から約1時間,首都圏のベッドタウンとして知られる船橋市,殊に習志野台は人口密度が高いことで有名である.それだけ高層団地が多いという土地柄で,従って住民は若い世代が多い.紹介する北習志野花輪病院は,昭和32年,同市宮本町に設立された花輪ケ丘病院の実績をもとに昭和57年4月第二病院としてオープンした順天堂大学の系列病院である.借地で,建設費はすべて借入金という厳しい経済条件を抱えているが,常勤医が全員理事というユニークな体制下,医者のやる気で頑張ってみたいと言われる.病床数161床,職員数102名.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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