文献詳細
文献概要
病院職員の基礎知識 院内各部門の知識
薬剤部門
著者: 柴田一雄1
所属機関: 1日本病院薬剤師会
ページ範囲:P.602 - P.602
文献購入ページに移動我が国においては明治の初期まで医師が診断と同時に投薬を行っていたが,ドイツ医学の導入以来,病院における処方調剤は専門家たる薬剤師が担当すべきであるといういわゆる医薬分業の考え方が基本となって,病院内に薬局を設けて薬剤師による調剤が行われるようになった.もちろん,当時の院内薬局業務の主体は調剤であったが,薬剤師の職能が有効に活用されている病院にあっては,単に調剤にとどまらずに薬品の品質試験や医薬品の保管管理等も行っていた.医療が薬物に依存する度合いの大きいこともあって,昔から医と薬とは車の両輪にたとえられて互いに進歩発展してきた.
第二次世界大戦後,アメリカで発達した病院管理学がアメリカ医学と共に導入され,我が国の病院医療は画期的発展を遂げ,病院組織も大きく変革した.その際アメリカの病院薬剤部門が当時の日本のそれと比べて貧弱であったのか,あるいは薬剤部門の責任者が薬剤師であって,その業務が院内において独立的性格が強いと考えられたためか理由はつまびらかでないが,病院管理学の中で薬剤部門は等閑視され取り残された感がある.
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