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在宅ケアへの模索
訪問看護の有効性—2.がん末期患者の場合—日本看護協会訪問看護検討プロジェクト報告
著者: 季羽倭文子1
所属機関: 1(社)日本看護協会
ページ範囲:P.620 - P.624
文献購入ページに移動自宅療養を続けているがん末期患者は,本人が望み,また家族もそれに同意して最後まで家にい続けようと思っても,それが無理になるような症状が出現する場合が少なくない.高齢者の脳卒中の場合のように,末期のプロセスが苦痛少なく,緩やかに経過するなら,条件が整えば,在宅で死を迎えることはさほど困難ではない.しかし,がん末期では,例えば疼痛のコントロールについて訪問看護婦がかかわっていても,在宅ではコントロールが無理になることがある.幸いにして,あまりひどい症状が出現しないで経過したり,症状への対応がうまくいき,また介護家族側の種々の条件が整っていて,最後まで在宅でき,自宅で死を看とることができれば,それはとても大変なことを,みんなで成し遂げられた,という気持ちになる.それは決して不可能でもないし,稀なことでもない.しかしそのためには,訪問看護による支えは,欠かせないものである.
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