病院43巻9号

1984年09月発行

特集 心温まる病院づくり

温かい病院を目指す工夫

著者： 新村明¹ 山本敬² 寺本松野³ 平塚秀雄⁴ 鳥居塚和生⁵ 深浦京子⁶ 林高春⁷ 柏木哲夫⁸

所属機関： ¹厚生連篠ノ井総合病院 ²衣笠病院 ³聖母病院 ⁴平塚胃腸病院 ⁵富山医科薬科大学病院薬剤部 ⁶東京都立府中病院栄養科 ⁷東京衛生病院 ⁸淀川キリスト教病院

ページ範囲：P.769 - P.780

すべての試みは同じ心から—看護の精神の徹底，ほのぼのとした環境，なじみやすい外来
—ある方がこちらの病院の看護部では，老人をお世話するために，"ご老人が昔読んだであろう本を読んで，少しでも老人の心が分かるように努力をしておられる．こういうことこそが温かい看護です"と感心しておられました．そこで，先生に温かい病院の工夫のいくつかを紹介していただきたいと思います．
　温かい病院を目指す工夫として，私は，①病院の基本に看護の精神をもつこと，②ほのぼのとした心を形に現すこと，③外来の診療形態を再編成するという三点を述べたいと思いますが，これは，三つがばらばらにあるのではなく，全体の一部なのです．そして，これまでにも紹介してまいりました看護の高度化，中央管理方式，6時夕食の実施，看護体制の改革なども，それぞれが患者中心の病院としての一環なのです．