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文献詳細

雑誌文献

病院44巻4号

1985年04月発行

文献概要

中小病院の光と影

「家庭医」制度と中小病院の今後

著者: 木村隆徳1

所属機関: 1松山ベテル病院

ページ範囲:P.347 - P.350

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「家庭医」とは
 1966年に三つの委員会報告書が米国医学会に提出された.市民団体(Millis報告書),米国医師会(Wil-lard報告書)および政府(Folsom報告書)の三者の結論は一致して,専門科分布の不均衡を認め,「プライマリ・ケアに十分な訓練を受け,それを単独で遂行可能な医師の養成」を勧告した.プライマリ・ケアを遂行する専門医をMillis委員会は"一次医primary physician",Folsom委員会は"個人医personal physician"と呼んだが,米国医師会は最終的に"家庭医family physician"と決定した.したがって,家庭医が行う家庭医学(表1)とはプライマリ・ケアの米国における具体的な表現形態であり,三委員会が意図した意味のプライマリ・ケア(表2)そのものである.家庭医は他専門科の医師が通常保持しない患者に関する知識をもつ.それは①家庭との関連における患者の知識,②時間的連続性との関連における患者の知識,および③環境との関連における患者の知識である.これらの知識を用いることは家庭医学の特性であり,適切な患者のケアに欠かせないことである.そのため,超専門家を必要とする病院の高度技術診療部門においても,家庭医は適当な病院使用権を通じて患者に関与すべきである,と米国家庭医学会は確信している1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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