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文献概要
特集 病院で死を迎える
死を迎える患者にどう対応するか
著者: 本多利雄1 石谷邦彦2 黒沼涼子3 並河正子2 徳永進4 坂口令子5 澤敏恵5 野口照義6 小澤美恵子6 斎藤芳雄78 南雲タカ子7 鈴木荘一910 白久かつ9 関根真希子9
所属機関: 1東札幌病院内科 2東札幌病院 3東札幌病院病棟 4鳥取赤十字病院内科 5鳥取赤十字病院内科病棟 6千葉県救急医療センター 7特別養護老人ホーム「八色園」 8町立ゆきぐに大和総合病院内科 9鈴木内科医院 10実地医家のための会
ページ範囲:P.478 - P.490
文献購入ページに移動ホスピスにおける末期癌患者の生と死
〈ドクター・サイドから〉
日本人の死因統計によれば癌死は死亡原因の第1位であり,20数%の人が癌により死亡している.このことは多くの人々が癌に対して強い関心を持つ原因となっているが,その癌に対する人々のイメージには,不治,苦痛,恐怖などの忌むべきものが多い.そして自分自身,または自分の家族に癌という病名が与えられた時,その死と結びついたイメージは強い心の混乱をひき起こす.しかし,死がすべての人間に避けられないものである以上,人生の最終点である死を静かに迎え入れるために最善の努力をすべきであろう.
当院においては死亡患者の90%以上は癌によるものである.これらの人生の総決算をし,死を迎えなければならない癌患者に対し,医療者としてできる限りの援助をすることを目的として我々はホスピス・ケアを行っている.
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