文献詳細
文献概要
定点観測 三宅島から
災害と家庭医
著者: 箕輪良行1
所属機関: 1東京都立墨東病院外科 2元三宅島阿古診療所
ページ範囲:P.497 - P.497
文献購入ページに移動昭和58年,三宅島大噴火から1か月半の11月21日に診療所を再開した.けれども一体これからどうなるのか.住民は他地区に分散して避難している.年寄りの多くは島外の子供たちのところへ身を寄せている.阿古地区へ戻ってプレハブの仮設住宅で生活を再開した人々は,復興計画による土木作業などに従事していて,従来から治療中の人々も診療所に来れないだろう.
予想どおり11月,12月,昭和59年1月と患者数は激減した.3分の1から2分の1である.まあ当然といえば当然である.生活があっての医者通いである.わかっていても,数人しか受診しない日が続くと,初めのうちはがっかりした.そのうち慣れてくると,合い間に診察机で読書したりして,じっと待った.
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