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人口・経済と医療の長期展望(2)—「人口・経済・医療モデルに基づく長期展望—フェイスII」中間報告書(日本大学人口研究所,昭和59年度日本医師会委託調査研究)より
著者: 小川直宏12 佐藤貴一郎3
所属機関: 1日本大学 2日本大学人口研究所研究部 3日本医師会統計課
ページ範囲:P.612 - P.614
文献購入ページに移動1)年齢構造の変化と医療費構造
図4は本モデルにおいて対象としている政管,組合,国保の3制度を合わせた0〜14歳の受診件数と65歳以上の受診件数のそれぞれ総受診件数に対する比率の変化を比較したものである.前号(510頁)の図2では,人口における0〜14歳と65歳以上の割合が2004年で逆転することが示されたが,受診ベースで年齢構成比の影響をみると,1985年では年少人口が20.43%,高齢人口が20.04%であり,1986年にはそれぞれ19.77%,20.45%と逆転が起こる.2000年では,これらの割合が15.86%,28.76%となり,2025年では12.26%,39.53%と両者のギャップは拡大する.すなわち,前号の図2と図4を比較すると,人口そのものの高齢化の過程より,医療における受診を尺度とした高齢化は一層早く到来することがわかる.ただし,国民医療費は受診件数やその年齢構成だけでなく,年齢別1件当たりの医療費が異なることによっても影響を受けることは論をまたない.
次に国民医療費の対GNP比を年齢別に観察したものが図5で,国民医療費の中で65歳以上の医療費(ただし,ここでは政管,組合,国保の3大保険制度における医療費の合計値として使用している)の対GNP比と0〜64歳の医療費の対GNP比とを比較している.
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