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特集 病院外来の新しい展開
海外の病院外来形態—見直される米国病院の外来機能の位置づけ
著者: 印南一路1
所属機関: 1元厚生省保険局
ページ範囲:P.936 - P.938
文献購入ページに移動一口に海外の病院外来といっても,国によって病院を含めた医療施設の体系や経営主体,その発展の歴史的事情等により,前提となる病院制度自体が大きく異なっているため複雑である.極めて古い歴史を持つ欧州諸国の病院の場合,その経営主体は主として中央政府や地方公共団体,あるいは教会等の非営利団体である場合が多い.
例えば,イギリスの病院はほとんどが国民保健サービス(NHS)の直営病院であり,スウェーデンの病院のほとんどは州立病院である.西ドイツの場合,病院数の約7割,病床数の約5割が公立病院であり,フランスの場合も病床数の約7割が公立病院の病床である.米国の場合は,公立病院は全体の約3割を占めるに過ぎず,非営利民間団体所有の篤志病院等が数の上では主流である.株式会社形態をとる営利病院が存在し,急成長してきているという意味でやや特殊といえよう.
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