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文献概要
隠れた戦中医学史 ペニシリン秘話
日本製ペニシリン第1号
著者: 落合勝一郎12
所属機関: 1学校法人東京文化学園 2財団法人聖路加国際病院
ページ範囲:P.142 - P.144
文献購入ページに移動戦時中,物も人も極端に不足し,悪条件が重なりあってがんじがらめのどん底の環境の中で,昭和19年は終わりに近く,戦局もいよいよ末期的状態に追い詰められた時期に,我が国で初めてペニシリンの工場生産が成功した.軍の力を持ってしても到底新しい設備を期待することはできなかったので,倉庫から古い施設や機械類を引っ張り出して寄せ集めた貧弱な生産設備を動かして,量こそ取るに足りないわずかなものであったが,とにもかくにも我が国初のペニシリンができたのである.
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