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患者からみた病院
医学の進歩の喜びと残酷さ
著者: 村山糸子
所属機関:
ページ範囲:P.599 - P.599
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自営業であった主人が倒れたのは昭和59年11月8日,その日は主人の誕生日でもあった.「ちょっと練習してから帰る」と言ったままゴルフの練習中に倒れてしまった.すぐに救急病院に飛んで行ったが,入院の手続きをしながらも手足のふるえが止まらず,瞬間的に主人の病状,商売のこと等,断片的に様々な思いがはせていくのが分かった.「診断の結果,脳動脈瘤破裂でくも膜下出血を起こしており,非常に危険である.手術しても回復の見込みは1%もないがどうしますか」と脳外科の若い先生に言われた時,自分一人で決断することができなかった.子供たち,主人の兄弟と相談の末1%にかけてみようと,その夜のうちに先生にお願いしたが,一抹の不安がよぎったのは,先生が若いこととほかに医師がほとんどいないということだった.翌日東大の助教授が応援にきて,手術が始まり,6時間くらいかかって無事手術が終わった.
自営業であった主人が倒れたのは昭和59年11月8日,その日は主人の誕生日でもあった.「ちょっと練習してから帰る」と言ったままゴルフの練習中に倒れてしまった.すぐに救急病院に飛んで行ったが,入院の手続きをしながらも手足のふるえが止まらず,瞬間的に主人の病状,商売のこと等,断片的に様々な思いがはせていくのが分かった.「診断の結果,脳動脈瘤破裂でくも膜下出血を起こしており,非常に危険である.手術しても回復の見込みは1%もないがどうしますか」と脳外科の若い先生に言われた時,自分一人で決断することができなかった.子供たち,主人の兄弟と相談の末1%にかけてみようと,その夜のうちに先生にお願いしたが,一抹の不安がよぎったのは,先生が若いこととほかに医師がほとんどいないということだった.翌日東大の助教授が応援にきて,手術が始まり,6時間くらいかかって無事手術が終わった.
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