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特集 拡大する病院健康管理部門
健康管理部門の地域保健活動へのかかわり
著者: 山口昇1 高野正孝2 竹田トキ2 多田正毅2 高橋勝3 種田光明4
所属機関: 1公立みつぎ総合病院 2城西病院成人病予防検診センター 3松江赤十字病院 4総合病院旭川厚生病院
ページ範囲:P.657 - P.667
文献購入ページに移動我が国は今や人生80年代社会に突入し,疾病構造も変化して医療も一つの転換期を迎えている.かかる高齢化社会にあっては,地域住民は我々病院に何を要望し,何を期待しているのか.中高年層からの健康管理の必要性が叫ばれているが,我々病院はこれにどう対応していけばいいのであろうか.医療の流れが治療中心のキュアからケアの方向へと流れている今日,我々「病院」の使命もこれら社会のニーズに応えるべく変化すべきであろう.
従来の医療は「治療」の意味で使われ,保健予防やアフターケアについては,病院の役割から除外されていた感があった.しかしながら,前述のごとく高齢化社会を迎え,地域住民のニーズが多様化してきた今日,今後の医療は治療のみでなく,保健も後治療(リハビリ,訪問看護)も含むものでなければならないと思われる.昨今「地域医療」という言葉がよく使われるが,私は「地域医療とは,包括医療を地域に社会的要因を配慮しつつ継続して実践すること」と定義づけており,包括医療とは前述の保健,医療,後療法,更に場合によっては福祉までをも含むものであろうと考えている.しかもこれらは縦割であってはならず,相互連携が必要なのはもちろん,更にこれに地域住民が加わって初めて住民本位の地域包括医療が行われるのではなかろうか.
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