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特集 病院ルネッサンス
病院ルネッサンスへの方途を探る
著者: 坂上正道1 寺田一郎2 篠原稠明3 高橋美智4 A.H.ニノミヤ5
所属機関: 1北里大学病院 2国保水原郷病院 3篠原病院 4日本看護協会看護研修学校 5神戸聖隷福祉事業団
ページ範囲:P.35 - P.45
文献購入ページに移動ある医学教育の国際会議で,「大学病院という特別な病院はない,病院のモデルとして最高であるべきである」と声高に発言したことがある.医療の質,患者中心の医療などという理念がきちんと守られて運営されている病院——そのような病院の中で医師その他コ・メディカルの医療人を訓練して,次の世代の人材を養うことが生涯教育である.学部教育もその一貫したシステムの中に置かれるべきであるという私の主張を述べたつもりであった.二〜三の医科大学の責任者から「それでは大学病院としての特徴がない」,あるいは「大学病院は研究が十分に展開されているべきところである」などのご意見が述べられた.
この私の主張は今も変わらない.大学病院は地域のメディカル・センターとしてモデル的に,しかも本物の医療を実践しなければならない.ことに社会的な医療構造の変化,経済的な医療環境の予測が困難である時は,なお一層その本質的なあり方が必要である.以下,限られた誌面の中で,病院のあるべき姿について項目を分けて述べてみよう.
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