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文献詳細

雑誌文献

病院46巻1号

1987年01月発行

文献概要

定点観測 仙台市から

患者の病院選択基準は何か

著者: 望月福治1

所属機関: 1仙台市医療センター仙台オープン病院

ページ範囲:P.64 - P.64

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 病院の高層建築化が進んでいる.その理由には,十分な敷地の確保が困難なことがあげられようが,このような病院で万一災害が起きた場合どんな事態が生じるのであろうか.もちろん,十分な安全設計がなされているには違いない.しかし,病院には健康人ではなく,病人が収容されているのである."忘れた頃にやってくる"という譬えのとおり,絶対に災害が起きないという保証はどこにもない.高層ビル火災によるパニック状態を描いた古い映画のシーンを見たり,高層ホテルの火災で多数の犠牲者が出たというニュースを聞くにつけ,有事の際の悲惨な状況が目に浮かぶ.高層病院が増え続けている現在,医療人も他人事として無関心ではいられない.
 福島県のある病院は,広い敷地の中に建てられた横に長い2階建ての病院である.1階と2階は螺旋状の廊下で結ばれ,患者はエレベーターなどを使用しなくても,ベッドのまま自由に搬送できる建築様式となっている.この病院を訪れた時,"これならば,いざ災害という場合も,重症患者の避難は比較的容易だろうな"という印象を持った."そのような建築様式にできたのは,十分な敷地があったからだ"といわれればそれまでの話ではあるが…….

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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