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特集 ニードの多様化と効率的薬剤部門
薬剤部門の新しい動きと病院医療への影響
著者: 水野恵司1 中島洋一2 具志堅秀子3 友利斉3 沖山尚美3 嘉数恵子3 小湾勝敏3 上野和行4 広岡わか子5 平野伸幸6 後藤光良7 柳川忠二8
所属機関: 1東京都立駒込病院 2東京都立駒込病院薬剤科 3沖縄県立那覇病院薬剤科 4国立療養所千石荘病院薬剤科 5厚生連佐久総合病院 6回生薬局 7名古屋記念病院薬剤部 8聖マリアンナ医科大学病院薬剤部
ページ範囲:P.836 - P.849
文献購入ページに移動■病院薬局のDI活動
「薬剤師は医薬品の特性,製剤,作用,用法などについて,医師への助言者として薬物療法に協力すべきである」1945年Franckeの論文にDrug Information activities (DI活動)の考えが述べられている.わが国においても,1963年に非公式ながら病院薬局の業務として導入され,1965年東京厚生年金病院,1973年国立大学病院に薬品情報主任薬剤師が公式な設置に至り,現在多くの病院でDI活動が重要な業務の一つとして定着しつつある.
DI活動の目的は,医療従事者への医薬品情報の提供を通じ,安全で有効な合理的薬物療法の発展を図り,医療の向上に寄与することにある.DI活動が提唱される背景には,医薬品開発,学問の急速な発展などに伴う情報の増大があり,それを的確,迅速に利用するシステムが医療の現場に必要となったからである.いずれの社会においても共通するように,情報洪水の中で個々の人間が独自に多くの情報に目を通し,取捨選択して保存し,必要な時,必要な情報を再現して利用する.考えてみれば,不合理なことである.医薬品の数は多く,それに付随する情報は計り知れない.我々の行った1980年の調査1)では,3か月間に134の専門雑誌に1,154編の医薬品関連論文が掲載されていた.
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